その名も高き、孤高の義賊。
強きを憎み、弱きを助く。
だが彼の素顔を知る者は、誰一人として存在しない。
風のように盗み、風のように去って行く。
 
その名は---------快盗ブラック・フォックス。
 
 
 
 
 
連続ラジオドラマ、スレイヤーズTRYセラ(笑)
第一話 「狙われた美少女」
 
第一回:『気をつけよう 目立つ悪ノリいつものパターン』

(ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃらららら〜〜ちゃ〜ららちゃらららっ♪←オープニングテーマ)
 
(BGM:のどかな朝にふさわしい、へーわで明るい曲)
(効果音:がたんっ!←誰かがイスから立ち上がる音)
 

だああああああっ!!
それっ!!あたしが注文したエビと野菜のクリームソース合えじゃないのおっ!!なんでガウリイが食べてるのよおおおっ!!」
「・・・・リナだって。そのフォークに刺さってるの、オレが注文したにんにくの唐揚げじゃないか。」
「うっ・・・・。これはその・・・・。い〜えっ!んなことはさっさと棚の上にうりゃっと乗せちゃってっ!!あたしのエビさん返せ〜〜〜っ!!」
「うぐっ!!や、やめろリナっ!オレを振っても、エビは出ないぞっ!」
 
(ざわざわ・食堂の賑やかな音)
(かたん・コーヒーカップをテーブルに置く音)
 
「・・・そうだぞリナ。それにそれ以上ガウリイを振ると。」
「・・・・なによ、ゼルガディス。」
「そうですよ、リナさん。それ以上ガウリイさんを振ったら、ただでさえ不安定な形の脳ミソがシェイクされてしまうじゃないですかっ!」
「・・・・ゼル・・・・アメリアまで・・・・。皆、オレのことをそんな風に・・・・。」
「あああっ!ガウリイさんっ!落ち込まないでっ!そ〜いうのはもっとカゲのある渋い役の人なら似合いますが、ガウリイさんじゃせいぜいリナさんに『どったのガウリイ、お腹でも痛い?』って言われるだけですよっ!」
「・・・アメリア・・・・フォローする気があるのか、ないのか・・・。」
 
(こつこつ・足音がテーブルに近付く音)

 
「・・・・・・あのう・・・。」
「お食事中済みませんが、ちょっとよろしいでしょうか・・・?」
(気弱そうな青年の声)
「・・・悪いけど、あたし打ち合せもしてないし、家でヒゲも剃ってないから、ご期待には添えないわ。」
「・・・・は・・・・?何のことでしょう・・・?」
「えっ?これCM撮りじゃないのっ?」
(ごちん・岩が何かに当たる音)
「お前な・・・・。またそ〜いう訳のわからないネタで視聴者を混乱させるんじゃない。」
「いった〜〜〜い。だあってえ、スレイヤーズ15巻の発売もまぢかだしい。宣伝かなっと思ったんだも〜〜〜ん。」
 
「・・・・・あの〜〜〜〜。」
「で、私達に何かご用ですか?」
「はい・・・。実は困っていることがありまして。魔道士協会であなた方が仕事を探していると聞きまして、是非、助けていただきたいと・・・。」
「・・・確かに、仕事は探してるけど。でもあたし達、何でも屋じゃないわよ?」
「それはわかっております。実は、ある人物を止めていただきたいのです。」
「・・・・はあ?」
「止めるって・・・・。そいつ、ずっと走りっぱなしのヤツとか・・・?」
「んなわけないでしょっ。ガウリイはちょっと黙っててっ。・・で、その人物って?」
「はい・・・。それは・・・・。」
「それは?」
「怪盗ブラック・フォックスなんです・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・。」
 
「なんですってええっ!?」

(がらがら・がっちゃ〜〜〜ん・皿が落ちて割れる音)
 
 
 
 
『とある街のとある食堂での、平和な朝。
いつもの通りに賑やかに朝食を取っていたあたし達の前に、突然現れた気弱そうな兄ちゃん。・・・だが、彼が口にしたのは、あたしを驚愕させるのに十分な、ある人物の名前だった。
・・・・というところで、物語は唐突にいつものパターンで始まるのだった。
次回も聞いてくんないと、暴れちゃうぞっ♪』

(ナレーション・byリナちゃん)






次回へ続く。