『妄想推理小説』


 

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さてここに、諸君を妄想と暴走の世界にお連れする、一つの物語がある。

勿論全ては妄想の産物で、そこに書かれていることは全て事実でありながら、
真実の姿は嘆かわしいかな、その通りではない。

日頃鍛練された逞しい想像力によって、
これらの文から、連想と飛躍の翼に乗って輝かしい新境地へと
旅立たれることを切に願うものである。
 


さて、名探偵諸君。
諸君らは、自らの妄想を断ち切り、
真実に目を向ける能力に自信はお有りかな?
 
ならば、これより展開する二つの場面を感覚を研ぎすまして聞き取り、
そこに隠された真実の姿に到達することが可能だろうか。
 
ただし、条件がひとつ。
諸君は14才以上だろうか?

妄想と現実の境界に、正しくラインを引くことができる
立派な一社会構成人員であろうか?

ならばこのまま進んでいただきたい。
そうでない場合には、見たくないものを目にしてしまう可能性もあるので
ここでご退出願いたい。






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では条件を満たしていると仮定して、先を続けよう。

登場人物はたったの二人。
舞台は、とある宿屋の一室。
新月の晩、密室で行われた秘め事の謎を解いてほしい。
 
なお、推理期間は一週間。
回答は、文の最後に書かれた先へ投稿のこと。
真実は次回更新にて。
 
では諸君らの、名推理を期待する…………………………。
 
 

 
 
 
 
 
 
 

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<場面-A>
 
 
 
 
静かな夜だった。
静まり返った部屋には、獣油のランプはおろか、蜜蝋一つともっておらず。
厚くカーテンを閉めた窓からは、月の光が差し込むこともない。
新月の晩である。
 
部屋はただ、闇に包まれている。
その中身を誰かに見せることを、恥じているかのように。
 
……………かちゃっ……………
 
ときおり、小さな音がする。
 
……………かちゃかちゃ………ぱさっ………………………
 
 
 
宿中が寝静まっていた。いるはずだった。
何かが聞き耳を立てているわけでもない。
 
けれど部屋の物音は小さく、さらに聞こえてくる会話も、さらに小さかった。
息を飲むような緊迫感が漂う。
 
 
……………………ぴちゃっ……………
 
微かな吐息が聞こえた。
ひそめた声が漏れ出す。
 
「あっ…………そこは………違っ……………………」
「………じゃあ……………ここか…………………?」
 
そこは独り用の個室だった。
宿帳によると、泊まり客の名前はリナ=インバース。
性別、女性、職業、黒魔道士。年令、18才。
 
が、夜も更けたこんな時間に、うら若き乙女の部屋から、男の声も混じって聞こえるのは何故だろう。
 
「…………これは……………?」
「………………ダメっ………それは……………!」
「そんなこと言ったって…………こんなになってるのに………」
「…………だって…………………」
 
…………………ぴちゃっ………………………
 
時折混ざる水音と、耐えたような呼吸が混ざり合う。
 
「……………………っっ…………………」
 
…………………ぎしっ……………………
 
さらに続く、木が床をこするような音。
 
 
秘めた二人の会話は、部屋の外には聞こえないほど小さく。
それは、他の誰にも聞かせたくない、二人だけの会話であることを示していた。
 
「…………………あっ………………」
「……………いいか…………………?」
「…………もうっ……………」
 
意味をなさない短い言葉達。
二人だけに通じる会話の証拠である。
 
「………いいか…………?リナ……………」
「…………………ダメって言っても………どうせ………するんでしょ………?」
「ああ…………。そのために来たんだからな………。」
「………………あっ!ガウリイっ、…………それはダメ…………!」
「………嘘つきだな、リナは…………。お前がしたいって言ったんじゃないか………。」
「だっ………だけどっ………」
 
誰かが耳にしたら。目に星を溜めそうな会話である。
誰かが耳にしたら。床に髪を突き刺しそうな様子ともいえる。
誰かが耳にしたら。
そう思うと、二人の声はさらに小さくなってゆくに思える。
 
「…………んっ……………………」
「…………………じゃあ………こっちは…………」
「…………あっ…………!そ、そんなとこ入れないでよっ………!」
「…………じゃあ…………ここか……………?」
「…………あんっ………もう………そんなさぐらないでっ………」
 
更けてゆく夜。
更けてゆく会話。
 
「………もう………今度は、あたしの番だからね…………?」
「………どうする気だ、リナ…………?」
「………さんざん攻められたんだから………今度はこっちが攻める番よ………」
「……………あっ…………お前、そんなっ…………」
「動かないでよ、ガウリイ…………」
 
…………かちゃかちゃ………………
…………………ぴちゃっ……………………
 
「お前っ…………それはズルイぞっ…………そんなことされたら、オレ…………」
「…………………………ん………あ………おっき………」
「…………こ…………こら………無理するなって………」
「……………ふっ………………む…………」
「…………よせって…………………」
「………………うぅんっ……………口に………はいりきんらい……」
「………リナ…………お前………意外に大胆だな………」
「おっ………女は時として冒険するものよ…………っ………うぐ………」
 
………………ぴちゃぴちゃ……………
……………………ちゅるっ………………………
 
突然、むせたような気配。

「…………っ………ごほっ…………うっ………」
「………リナっ………大丈夫か………?だから、無理するなって…………」
「…………ごほっ………だ、大丈夫……………。」
「慌てなくても………夜は長いんだぜ………?ゆっくり進めるから………」
「……う………んっ…………」
 
………………………ぎ、ぎしっ………………………
 
「…………じゃあ今度はオレが…………。いいか……………?」
「………う………ん…………」
「どこがいい…………?」
「…………こ………ここ………。お願い……ここを……………」
「………………うわ………溶けかかってる………トロトロだ……」
「………………ガウリイ………は……早く………………っ」
 
…………………………じゅるっ……………………
…………………ぴちゃっ……………………………
 
「………はぁっ………………リナ…………たまらん……」
「…………もうダメ………あたしも………我慢できないよ………」
「……………欲しいのか………?」
「うん…………欲しい………全部……………」
「オレもだ………………………」
「………………ね?ガウリイ……………」
「ああ…………行くぞ、リナ…………………」
「うん……………一緒によ…………?」
「ああ………………一緒だ………………。」
 

ぎっ…………ぎしぎしっ!
ぴちゃ………ちゅ………………ぴちゃっ……!

「あ、すごいっ…………!」
「初めてなのに………辛くないか………?」
「………うん………全然………平気っ………」
「よし………もっと奥まで入れてやる………」
「あっ!こんなのっ………!ダメ、そんなに奥まで………!
あ……溢れちゃうよっ………!ガウリイってばっ……!
あ〜〜っ、ダメぇぇぇぇっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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以上が場面Aの内容である。
 
知性と理性を重んずる名探偵諸君らには、すでに光明が見えていることと思う。
ではさらに、場面Bにて、その推理を確認していただきたい。
 
なお、付け加えておくが。
『推理なんかもう関係ねーーーー!!!真実はひとぉおおおつ!!
オレの目には、愛しか見えないぜっっっ!!!』
と、妄想街道を突っ走ることもまた、可能である。
 
人生に必要なのは、必ずしも真実であるとは限らない。
 
それを踏まえて、翌朝の登場人物の会話を持って、
この寸劇は終結を迎えることをお知らせしておこう。
 
 
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<場面-B>
 
 
 
 
 
「うっ………気持ち悪…………」
「だ、大丈夫か、リナ。だからあれほど無理するなって………」
「だってつい………我を忘れちゃって…………。おまけに、体中痛いし………。」
「………なんで体が痛くなるんだ?」
「む………無理な体勢してたからでしょっ……………って何言わせるのよっ…………そ、それに、き………緊張してたからに決まってるじゃない………。は……初めてだったんだからね…………?」
「なんで。別に、今さら緊張もないだろ、オレとお前さんじゃ。」
「………………!そっ………そんな言い方されると…………(っかあああああ)」
 
「お?赤くなった。熱でもあるのか?」
「な、ないわよ、別にっ。」
「そうか?寝不足なんだし、無理はするなよな。それに気持ち悪いんだろ?」
「あれはガウリイがっ………」
「…………オレ?オレが何かしたか?」
「だ、だってっ………あ………あんなにたくさん出すからっ……!」
「たくさん出せって言ったの、お前さんじゃないか。溜めてたのを全部出せって。」
「………そっ………それはそうだけど、何もあんなに…………。」
「そういうお前さんこそ。あんなことまでしたくせに。」
「いっ………言わないでよっ………あたしだって、ちょっと…………やりすぎたかなって反省してるんだからっ………………」
 
「でもリナの…………良かったな………。オレのは……どうだった?」
「どっ………どうって………お……おっきくて、口に入れるだけで精一杯よ………あんなに大きいと思わなかったんだもんっ……。」
「オレはよせって言ったんだぜ。」
「…………だ………だって、………してみたかったんだもん………。しょ、しょうがないでしょ………。それとも、ヤだった………?」
「嫌なわけないだろ………。オレもしたかったし………。」
「なら………いいじゃない…………。満足したでしょ………?」
「ああ。」

「…………でも……やり過ぎよ、ガウリイ。あんなに何度も……。
しかも中でかき回すから、ぐちゃぐちゃになっちゃって………。」
「いいじゃないか。よかったろ?」
「う………うん………まあ…………。は、初めてだったけど…………思ったより…………怖くなかった…………。」
「そうだな。ずっとしたかったし。それに真っ暗だと、人間、案外大胆になれるもんだよな。」
「そっ…………それはあるかも…………?」
「またしような、リナ♪」
「えっ………う………うん………そ……そね………。」
 
 
 
 
 










 
 
 
 

 
 

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以上で、場面の音声再現は終了した。
さて、深夜に行われたこの犯罪行為、もとい、行為を説明するに足る名推理を期待している。
諸君らの明晰な頭脳を持ってして、謎を解明して欲しい。
 
なお、推理の結果は<掲示板>に張り出していただきたい。
解答編は9/28(火)解答編にて発表とする。
 
名探偵諸君の活躍に期待する。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 

*************************************The end.

 

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<NORTICE>
 
場面A、Bの音声を聞き取り、そこで何が行われていたかを推理して下さい。
推理結果は、掲示板に貼り出して下さい。


締めきりは2002年9月27日(金)

見事正解された方は名探偵として、解答編にお名前を記載させていただきます。
たくさんの御応募お待ちしております♪
 
 

掲示板

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