「AGAIN」



 
「じゃあ、またいつか、どこかで。」
すでに朝陽は昇りきり、普通の日常がざわめき出す頃。
そう言って、片手を差し出した人物がいた。
宿のある表通り。
「何あらたまってんのよ、いきなり。」
「そうか……そうだったっけか。」
「湿っぽい別れは御免だぞ。」
それに答えて、三者三様の答えが返ってくる。
 
「湿っぽい??何言ってるんですか、ゼルガディスさん!
わたし達にそんなのが似合うわけないですっ!」
大袈裟な振りに合わせて、白いマントが翻る。
最初に口を開いた人物。
アメリアは、切りそろえた黒髪を揺らして反論する。
「大体、湿っぽくなる方が不思議じゃないですか!
わたし達はつい先日、世界の危機を救ったも同然なんですからっ!!!
いいですかっ!
これはわたし達、仲良し四人組の!!
新たなる栄光の旅立ちなんですよっっ?!!」
派手な舞台劇の役者紹介のように、手を広げる。
「たとえその名が!大いなる歴史書に残らずとも!!
わたしは皆さんのことは一生忘れませんっっ!!!!」
その目が、水を得た魚のようにいきいきと輝き出す。
 
ずびしぃぃぃっ!!
 
「そうですとも!!あなたのことです、ゼルガディスさん!!
顔より頑固な性格はまあ置いとくとして!
頑丈な超合金の肉体を持つ魔剣士のあなたをです!!」
「……誰が超合金だ………」

フードの陰で、ひときわ低音の声が不機嫌に呟き返す。
どうやらこの恥ずかしい事態を招いたのが、自分の迂闊な一言のせいだと気づいたらしい。
黒い礫がところどころ浮いている青白い顔。
硬質の輝きを持つ銀髪。
異形な成りをしてはいるが、元は人間。
本来の自分に帰る方法を探すうちに、それが果てしなく遠い道だと悟ったせいか、どこか全てを拒絶している風がある。
刺のある発言が多いのもこのせいだが、今はそれが少し弱いようだ。

「ははっ。言われちまったなあ、ゼルガディス。」
その肩を明るく笑いながら叩いた隣の人物は、思い出したように声をひそめて尋ねる。
「で、チマチョゴリの肉体って、何のことだ?」
 
がふっ!
 
そのセリフに、ゼルガディスだけでなくアメリアもずっこける。
だぁああああっ!そこのガウリイさん!!
あなたのこともですよっ!!?
綻びだらけの記憶力と勘違いだらけの一般常識はさて置き!
超神業を放つ天才剣士!!
たとえ次に会う時、あなたがわたしのことをすっっかりすっっこ〜んと忘れていても!!
わたしは決して忘れませんよっ!!」
「ひで〜なあ。いくらなんでも、仲間の顔くらい覚えてるって。
………たぶん。」

次に指差された長身の男性は、長い黄髪に覆われた頭部をかりかりとかく。
細身だが鍛えられた姿。
長身に甘いマスクも手伝って、女性にさぞ騒がれそうではあるが。
のんびりとした口調と、説明を裏切らないトボけた言動がそうはさせていないらしい。
アメリアの弁は続く。
 
「そして大本命っ!そうですとも!!!
生きとし生けるものの天敵!
悪人は元より一般市民も怖れて逃げ出すその行く手には、ペンペン草も生えないという!!
破滅的!破壊的黒魔術を操る魔道士
リナ=インバース!!
あなたをですっ!!」
 
ずびしいいいいいいっ…………
ぽきっ!
 
「いだだだだだだっ!!!」
「こらこら。みだりに人を指差さないよ〜に。
……折るわよ。」
「折ってます、折ってますってば、すでに!!」
引き抜いた指をフーフーするアメリア。

腰に手を当てて、冷ややかな視線を送る人物。
アメリアが指差そうとしたのは、それほど背丈の変わらない第四の人物だった。
地面まで届かんばかりの漆黒のマント。
いわくありげな防具。
武装より数の多い呪符代わりの宝石。
額に巻いた、黒いバンダナ。
格好だけなら、いかにも恐ろしげな黒魔道士そのものだ。
だが、その顔と声は、どこかあどけなさを残した少女のものだった。
「な〜んか、いろいろ聞き捨てならないセリフがあったみたいだけど………」
「あ、捨てて下さい。遠慮なく。」
ぱたぱたと元気に振ったところを見ると、指は何ともなかったらしい。

気を取り直したアメリアは、自らの拳を固めて突き上げる。
「そして、白魔法が得意で、肉弾戦もいとわない鋼鉄の拳を持つこのわたし!
アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン!!
我ら仲良し四人組!!
得意なものは違うけれど、力を合わせてただひとつ、正義の名のもとに………
大口上が大団円を迎えようとしたクライマックス。
「正義の名のもとに戦った気はこれっぽっちもないけど?
ま、生き残ったことは生き残ったわね。」
「ああっ………最後まで言わせて下さいよう……」
「無理v
 
有無を言わせず、アメリアの長舌を止めた人物。
リナ=インバース。
いずれ普通の人々の間はともかくとして、声をひそめて語られるように、いや、静かに暮らしていくためにわざと忘れたフリをされるかも知れない、そんな存在になるだろう。
ひときわ小柄で、ひときわ華奢な外見が、見る者を勘違いさせる。
無力なくせに生意気で誇大妄想の持ち主で、実体は取るに足らない小者だろうと。

「大袈裟なことを自慢するつもりはないわ。
大事なのは、また陽が昇って、一日が始まること。
旅が続けられること。
体も無事なら、お宝も無事ってあたりよね♪」
強い口調も、最後はちゃめっけたっぷりのウィンクとともに締めくくられ。
そのマントの陰から、ずっしりと重そうな袋が見えた頃には。
三人の仲間も思わず頬を緩めてしまう。
 
ほんの三晩前には。
壮絶な死闘があったとは、露ほども見せずに。

 
「わかってますってば。だから、はい。」
再び片手を差し出すアメリア。
行き交う人々が交差する通りは、街の東西へと別れている。
「ここで一旦、お別れなんですから。
わたしは自分の国に帰らなくちゃいけません。」
「そ〜だったな〜〜。
アメリアは、セイルーンのお姫さまだもんな。」と、ガウリイ。
「ゼルガディスは、元の体に戻る方法を探す旅、ね。」頷くリナ。
「決まってる。俺の元々の目的は変わっちゃいないからな。」
「リナさんは…………」
「そ〜ね〜〜〜。」
ちょっとだけ考えるふりをしたリナは、真顔でこう答える。
全国グルメツァーときどきお宝探しときどき盗賊いぢめの旅。」
「………ですよね………。」
「あと、秘湯巡り三流領主をおちょくるってのに隣の晩ご飯突撃ってのも………」
「え〜〜はいはい。キリがないのでこの辺で。
と、いうことでですね!
ここで別れたら、またいつ会えるかわからないじゃないですか。
だから………。」
手を差し出すアメリア。

と、リナが不満顔で割って入る。
「………ちょっと待って。
ゼルとあたしはいいとして、ガウリイには聞かないわけ??」
「へっ!?」
アメリアがきょとんとした顔を向ける。
「何でですか??」
「何でって………」
「だって聞いたじゃないですか、今後のリナさんの予定。」
「だから、それはあたしのであって……」
「だってガウリイさんはリナさんと一緒でしょ??」
「さも当然のことのよーに何でゆーかな!?!?
誰が決めたのよ、誰がっっ!!
あたしもガウリイも、別に一緒にいなくちゃいけないなんてことはないんだし!!」
「…………オレ?」
自分が話題にのぼっていると、当の本人はようやく気づいたらしい。
きょとんとしたままのガウリイに、アメリアとリナの二人が突っ込む。
「どうなんですか、ガウリイさんっ!?
やっぱり、これからもず〜〜〜っとリナさんと一緒ですよねっ!?」
「ど〜なのよ、ガウリイ!
あんたのことをきいてんのよ??自分の道は、自分で決めるってもんでしょっ!?」
「………おお。」

事態がようやく飲み込めたのか、ガウリイはぽんっと一つ手を打った。
それから、やおらリナの方に向き直る。
両肩にそっと手をかける。
「何を言ってるんだ、リナ………。
オレ達は、一心同体じゃないか。」
「え………は??え??
優しい瞳に見下ろされ、途端にリナが目を白黒させる。
「お前がどこへ行こうと、オレは必ずついていく。
そう決めたはずだぜ?昨日の晩。」
「え、ええええええ!?!?!?」
「おおおっ!?」
何故か外野であるアメリアが胸をときめかせる。
 
「そ〜いうことだったんですか、リナさんっ!!
だから昨日、部屋に帰ってくるのがあんなに遅かったんですねっ!?
そ〜いうことになってたなんて!!
教えてくれないなんて、水くさいじゃないですかっ!!」
「そっ……そ〜いうことって……!?」
「そ〜なんだ。オレ達、そ〜いうことだから。」
リナの肩をぐるっと回して皆の方を向かせるガウリイ。
「んななななっ?!?!」
憤慨からか、別の原因からか、リナの顔が真っ赤に染まっている。
その後ろで、ガウリイが少し背を屈めてにこやかに続けた。
「お前さんがどんなに険しい、危険な道を歩こうと。
たとえ、他の誰もついてこなくても。
オレだけは絶対にあきらめないって、な?」
「はぁああああ???!!!」
「おおおおおおっ!!!」
盛り上がる外野約一名。

アメリアの心象風景に、ピンクのハートが盛大に飛び交おうとした頃。
ガウリイのにこやかな表情と一言が粉々に打ち砕いた。
「何せ、お前さんがオレのこれからの運命を握ってるんだからな。
……つまり、財布だけど。」
「!!!!!!さっ!!!!!」
「財布ぅうううううっっ!?!?」
上昇気流に乗って軽やかに天に舞い上がった凧が、突風にあおられて急転直下。
その場にへたりこむアメリア。
 
「そ〜いうことって………そ〜いうことですか……」
「そうなんだ。昨日の晩、いきなり取り上げられちまって。
おかげで一人じゃ飯も食えないんだぜ。」
困ったように頭を振って、溜息をつくガウリイ。
そのがっちりとした手の下で、リナがじたばたともがいている。
ああああれはっっ!!!
あんたが日に二度も三度も財布落とすからでしょーーがっっ!!!
そのたびにあたしが倍払って、おまけに新しい財布にまたお金入れて渡すなんて!!
あまりにもバカげてるっしょ!!!!
だからいったん預かるって、昨日、何ッッッ回も説明したぢゃないのよっっ!!!」
「そ………そ〜いうオチですか………」
「………下らん。」
茶番劇は見飽きたとばかりに、ゼルガディス。
 
「ま、そーいうことで。
オレはこれからもお前さんと一緒だから。」
リナの肩をぽんぽんと叩くガウリイ。
その平和そうな笑顔からは、この男が果たしてどこまでわかってどこまでわかってないのか、全く想像がつかない。
「〜〜〜〜〜〜〜〜」

しばらく肩を震わせていたリナだが、その震えが途端にぴたりと止まった。
こちらも切り替えは早い方である。
「あ〜〜〜………。そうよね、ガウリイ…………。
あたし達は、一心同体よね?」
「へ?」
予想外の潤んだ瞳を向けられて、今度はガウリイの笑顔がひきつる。
「だって、お財布はあたしが預かってるんですもの。
当然、収入は全部あたしの懐行きよね。
支出はあたしがこれ以上ないほどしっっっかり管理してアゲルからw
あ〜〜〜vvv
収入が二人分で、支出が一人分!
これぞまさしく、理想的な収支のバランスだわw
究極のゼータクよねww
「えええええ!」
思わず肩から手を引き剥がすガウリイ。

「と、いうことでアメリア!」
今度はリナが満面の笑みを浮かべたまま、一歩を踏み出す。
引っ込められたアメリアの手に向かって、リナから手を差し出す。
「リナさん………!」
感激したアメリアがその手をがっしりと握る。
「忘れません!あなたのことは!」
「あたしもよ、アメリア。
あたし達、苦しいときはお互い助け合って乗り越えてきたわよね?」
「え、ええ………?」
ガウリイに向けられたと同じ潤んだ瞳に、アメリアもようやく気づいたらしい。
「ま、それだけ忘れないでいてくれればいーわ♪」
「は、はい…………??」
まだ合点のいかないアメリアに、すでに被害にあったガウリイの突っ込みが入る。
「これでセイルーンの宿と飯は確保できた、とか考えてんだろ。」
「ガウリイちゃぁんw
言わぬが花って美しい言葉、体で覚えましょーねww
「どこが美し………うぐっ!

何故か腹をさすりながら、ガウリイが代わってその手を握る。
「そーいうことらしいから。
覚悟しておいた方がいいぞ、アメリア。」
「は、ははは。」
力なく笑うアメリア。
その手を、できるだけ短い時間で済まそうとしたのか、素早くゼルガディスが握る。
「忘れたくても、忘れられないだろうがな。
こんな強烈な連中は。」
「ははは。」
アメリアはもう一度笑い、放された自分の手のひらに視線を落とした。

それから、何か大事なものが入っているかのように、そっと握りしめる。
目を閉じたアメリアが、再び目を開いたときは、穏やかな顔だった。

「またいつか、どこかで。
皆さんに会える、その日まで。
………もしかしたら、会えないかも知れない、会えたとしても何年も先かも知れない。
そうだとしたら、わたしも少しは大人になってるかも。
リナさんも、ガウリイさんも。
ゼルガディスさんだって、元の姿に戻ってたり。
変わっちゃって、わからないかも知れませんね。」
その言葉に、四組の目が束の間、お互いの顔の上を彷徨った。

でもそれは、一瞬のことで。
その一瞬に、さまざま蘇った声や言葉や痛みや風景を。
それぞれにしまいこんで。
 
「またいつか、どこかで。」

それを最後に、四人は別れた。
 
 
 
 






 
 
 
 

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白く細くたなびいた雲が、まるで引っ掻き傷のように青空に痕をつけている。
街を出た頃には、東にあった太陽も。
天頂を過ぎ、ゆっくりと傾こうとする頃。

眩しそうに空を眺めながら、頭の後ろで腕を組んだガウリイが呟いた。
「そうだなあ………。
次に会う頃には、すっかり変わってるかも知れないんだな。
アメリアも、ゼルガディスも。」
石畳の舗装がなくなり、雑草を踏み分けただけの次第に寂しくなっていく街道の上。
ガウリイより数歩前をとことこと歩くリナは、天ではなく、前方の森を注視していた。
「そりゃーね。変わるなって方が無理ってもんよ。
アメリアだってまだ伸び盛りだし。
あたしが思ってもみない場所で、とんでもない写本を見つけたように。
ゼルガディスだって、何分の一かの確率に当たらないとも限らない。
………見てよ、あれ。」
手袋に包まれた手で、木立を指し示す。
「宿にあった古い地図じゃ、あんなに近くなかったわ。
森も移動するんだって聞いたことない?
命あるものは、日々変わっていくのよ。
その変化の中で、探していく。
より生き残る方法を。
よりよく生きていく方法を、ね。
失敗もあるだろうけど、成功もあるから。
儚い命でも、続いていくんだよね。」

その道を断とうとするものの存在を。
彼らは身を持って知った。

「だから、変わるななんて言えないわ。
そのままでいろなんて、無理な話だし。
むしろ、どれだけ変わったか楽しみよね。」
口調が変わったが、声だけで顔は見えない。
そんな背中に、ガウリイは空から視線を下ろす。
「………そうだな。
少し前の自分とは、全然違うって気がオレもするしなあ。」
「へ!?」
リナがぴたりと足を止め、勢いよく振り返る。
「ガウリイが、そんな昔のことを覚えてるっ!?!?
縁起でもないっ!!
雪なんか降らせないでよね、寒いんだからっ!!」
「………あのなあ。」
「大体、少し前のあんたが今とどう違うってのよ?!
まさか!!
あたしと会う前は、世紀の大泥棒だったとか!!
一度目にしたものは二度と忘れない、驚異の記憶力の持ち主だったとかするわけ!??!!!
どーなのよ!!
吐いたんさい!!」
「うぐうっ?!」

飛び上がったリナにいきなり首ねっこをつかまれ。
否応なしに背を屈めることになったガウリイ。
普段は間近に見合うことのない顔が、こんな時は触れんばかりに近づく。

「それが………」
「何よ?思い出した?」
「気がついたんだが………」
「何を!?」
「以前はこんな風に、生命の危険をたびたび感じてなかったような……」
「それは気のせい。」
「アイテム代わりに飛ばされたり、財布を取り上げられたり、スリッパで後頭部を激しく殴打されたり、抱きつくかと思わせて首を締められたりされるよーなことは………
お前さんに会うまでは、一度もなかったぞ。」
「……………」
彼にしては珍しいことだった。
過去の話で断定するのは。
青い瞳の中を、リナはのぞきこむ。

「そりゃー………
スリリングで刺激的な生活ね。」
「生きた心地がしないってのは、こういう事か?」
「それは違うわ。
生きてる実感を日々刻々と味わえる、充実した心地ってやつじゃないかしら。」
「………そうかあ?」
「そーよ。
あたしが言うんだから、絶対にね。」
「そうか………。」

お互い真顔になり。
お互いニヤリとし。
首根っこをつかんだ手を剥がし、リナは再び背を向ける。
「これからもそーいう生活が続くんですからね。
あんたも覚悟しなさいよ?
そーやって、人は進化していくんだから。」
「そーかあ……。」
元に戻ったのんびりとした声が、背中を追いかける。
「それならとっくに………。」
「何か言った?」
振り向かずに、リナ。
「言った。」
空から視線を降ろさずに、ガウリイ。
「………そ。」
そのまま問い返しもせず、リナは歩を進める。
その口許に、さっきとは違う笑みが浮べて。

 
「リナさぁああああんんんん!!!!!」
 
突然、森の中で悲鳴に似た声が上がる。
「な!?」
二人が驚いた声をあげると同時に、白い影が木立から転がるように飛び出してきた。
その後ろに、やはり白っぽい服装のものが続く。
どうやら、前方の人物に無理矢理マントを引っ張られて走らされているらしい。

「アメリア!?ゼルガディス!!?」
立ち止まった二人に、髪をさんざんに振り乱したセイルーンの王女がすがりつくように走り寄った。
「お願いです!!一緒に来て下さい!!」
はあ??さっき別れたばっかりじゃない!」
「だって、大変なんです!!」
「だから、何がどうしたっての!?」
「とにかく、大変なんです!!世界の危機なんです!!
道すがら説明しますから!!
早く!!」
「ちょ、まず落ち着いて‥‥」
「そうも言ってられないぞ、リナ!」
ガウリイがトーンを落とした声とともに森を指差す。
「何か来る!」
「ええ?!?」
「だから言ってるんです!!
とにかく急いでここを離れましょう!!」

その言葉が終わらないうちに、森の奥からバリバリと不吉な音が轟き始めた。
木のてっぺんが激しく揺れている。

「何かって、何!?」
「わからん!何かだ!
それも一つじゃない!たくさんだ!」
「ぬぁっ!?何連れてきたのよ、アメリア!!」
「そんなこと言ってる場合じゃないですってば!!」
 
ウゴゥウオアアアアアアアゴゴゴゴゴゴッッッ!!!!!
オゲーーッケッケッケ!
ウキャキャキャホホホホホ!!!!!
クヒックヒックペックポッ!!!

 
この世のものとは思えない獣の咆哮が追い討ちをかける。

バリバリバリッ!
ドズゥウウウンンンンッッッッ!!!!!


数本の木々がどこかで倒れ。
地響。
粉塵。
慌てる鳥達の囀りが上がる。
「ああああああ。またこんな始まりかっ!!」
リナが頭を抱える。

 
…………こうして。
四人の別れは半時も過ぎないうちに解消された。
喜ぶ暇もないうちに再会を果たし。

 
「ええい、ともかく!!皆!行くわよっっ!!」
「おう!」
「はいですっ!」
「仕方あるまい!」

彼らの旅は、これよりまた紡ぎ出されていく。

少しずつ、進化を遂げながら。
 
 
 
 
 
 
 
 






















 
 
 
-----------------------------------------End of beginning...
 
 
 
スレイヤーズ再アニメ化です。
おめでとう!!
長い間待っていた皆さん、おめでとう!!
こんなことってあるんですね!!
動いてしゃべるリナ達が、もう一度見たい!
そう思ってもドリームだったのに、夢は叶うんですね!!
 
そんなわけで、皆さんと同じように心踊り胸燃え滾る日々を送っています。
それがなかなか実績に表せないのがもどかしいですが(笑)
 
子供もだいぶ大きくなって、一人でスタスタ歩けるようになってきました。
とにかく今は目が離せない状態で、PCに向かうのが難しい状況に変わりありません(涙)
椅子によじのぼり、キーボードをバリバリ叩くのは当たり前、そこからテーブルによじのぼり、さらにプリンタまで手を伸ばそうと………危ない危ない(汗)
 
しかも、伏兵はPC内部にも(笑)
以前より打つ頻度がかなり下がったまくこのキーボードは、固くて固くて(汗)
そしてどっかの誰かさんみたいに、覚えた変換をすっかりきれいさっぱり忘れてリアル羞恥心なまくこさんを、また一から調教しなおさないと………(笑)
 
でも嬉しいですよねえ。
動いてしゃべって、どつき漫才かます二人が見れるかと思うと。
 
今回は、変わらないでいて欲しいけど、ほんの少し何かが変わった彼らも見たい。
という思いで書いてみました。
レヴォリューション。
革命ですよ。
どんな革命を巻き起こしてくれるんでしょう。
楽しみです。
 
待て、2008年7月2日(水)深夜1:20!
 
放映が開始されるまで、スレ再アニメに関するどんな情報でもお待ちしています。
是非、掲示板に書き込んでやって下さい♪
放映が開始されたら、アニメの感想を、喜びを。
是非、掲示板に叩き込んでやって下さい♪
お待ちしてます♪
 
 
では、そーらより久方ぶりの愛を込めて。

スレ再アニメ化の一報を聞いたとき、あなたはどんな雄叫びを上げましたか?(笑)



そーらのあげた雄叫びは………
本文中。
森から出てきそーな得体の知れないヤヴァげな獣の咆哮。
あれです(爆笑)
 
 
 

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