「じゃんぷ」


知恵熱・・・て、やつかもしんない。
ゼルガディスにキスされたアメリアは、その晩、熱を出してしまった。

「だいじょーぶ、アメリア?」
「はい・・・。すみません、迷惑をかけて・・・」
「なにいらない心配してんのよ。あんたが直るまで、あたしたちもここに留まるから、ゆっくり休みなさい。」
「はい・・・。すみません・・・。」

医者の見立てでは軽い風邪だろうと言うことで、まあ、旅の疲れもあることだし、この辺でゆっくり休ませてやろうということになった。
ゼルガディスは、宿の主人からまた仕事を貰い、どこかへ出掛けていった。
後に残されたのは、ガウリイとあたしだけ。
と言っても、あたしはアメリアの看病をして。
ガウリイはどうやら、宿の手伝いをしてるらしい。
時おり、窓の外を見ると、宿の裏手でまき割りをしてるガウリイを見かけた。

そうこうして3日目。
アメリアはすっかり熱も下がり、少し食欲も出てきた。
宿の主人の話では、ゼルガディスは明日にでも戻ると言う。
だが何故か、アメリアが元気がない。

「・・・・どしたの、アメリア。」
何となく、悲しげな目でこちらを見ているアメリアに気がついたあたしは、聞いてみることにした。
「いえ・・・。何でも・・・・。」
「なあによ、言ってごらん?おこんないから。」
「言ったら・・・絶対、怒りますよ。」
「そう言われると、ますます聞きたい。」
「う・・・・。でも、聞かない方がリナさんのためだと思いますが・・・」
「そこまで言われて、気になんない方がおかしいわよ。ええい、キリキリ白状しなさい!」
「うう。ガウリイさん、ごめんなさい・・・。」
「え。なんで、ガウリイ?」

「あたし、昼間良く眠っちゃったから、夜中に目が覚めちゃったんです。
それで、窓の外をぼ〜〜〜〜っと見てたら・・・。」
「何よ?」
「ガウリイさんが、きょろきょろしながら、宿を出て行くとこを見ちゃったんです・・・・。」
「え・・・。ガウリイが?」
「はい。帰ってきたのは、朝方でした。」
「な・・・。」
「それも、その日だけじゃないんです。つい気になって、おトイレで会った宿の女将さんに聞いたら、何でもここ3日ほど、通ってるって言うんです。」
「通ってる・・・って、どこに。」
「さあ。そこまでは知らないみたいです。」
「ふ、ふうん。」
あたしはつとめて平静そうなふりをしていた。

「何だか知らないけど、アメリアが心配することじゃないわ。
・・・ゼルが帰ってきたら、出発するんだから、ゆっくり体を休めときなさいね。」
「はい・・・。そうします・・・。」
素直にアメリアは引き下がってくれた。
あたしは胸にひとつの決心を固める。





どこかで野良犬の遠ぼえでも聞こえそうな、満月の夜。
人を追跡するには夜目がきく。

あ。出てきた。
ホントにきょろきょろしてる。行動が不審。
窓から見ているあたしに気付かないまま、ガウリイは素早く夜の闇に消えていく。そうはいくか。
翔風界の呪文を唱え、あたしは空から追跡。
彼の野生のカンを考慮して、少し距離をあける。

?町中へ入っていくだけだけど・・・

ちょっと待て。この明るさは・・・・。





あたしは、やっぱりアメリアの話を聞いたことを後悔した。
ガウリイは、夜中でも煌々と明かりが点る、すけべえ屋さんに入って行ったのだ。





次の日の昼、宿の主人の言う通り、ゼルガディスが戻ってきた。
「どうだ、アメリアの様子は。」
アメリアの部屋の前。彼は息を切らして駆け付けてきた。

「大丈夫よ。明日には、出発できるでしょ。」
「そうか・・・。」
ほっとした顔を見て、何だか羨ましくなる。
「ゼルって、損な性分よね。」
「?なんだ、いきなり。」
「そんなにアメリアが大事なら、ちゃんと伝えないと。」
「・・・余計なお世話だ。俺がどうしようと、お前さんには関係ない。」
「始った。関係ないって言葉、あんまり使わない方がいいよ?」
「何故だ。」
「エラそーなこと言うかもしんないけど。アメリア、あんたにそれを言われるのを極端に怖がってたじゃない。そういう冷たい言葉は、あんたは何の気無しに使ってるかも知れないけど、言われた方はちょっと辛いよ?」
「・・・・。」
黙ってしまった。
「・・・ま、それがあんたの性分なら、そう簡単には変えられないかもしれないけどさ、少なくとも、アメリアには使わない方がいいと思う。」
これはアメリアのため。
ちょっとした御祝儀だ。

「・・・わかった。努力は、しよう。」
おおっと。
ゼルちゃん、変わったねえ。
「あんたの口から、初めて素直な言葉を聞いたよ〜な気がするわ。」
「・・・俺だって、好きでこんな性格になったわけじゃ・・・」
「はいはい。わかってますわかってます。」
「・・・リナこそ。ダンナとどうしたんだ。」
「へ。・・・なんで?」
「さっき、俺が宿に入ってきた時、ガウリイのダンナもいたのに、お前、思いっきり無視してなかったか?」
う。忘れてた。こいつも、変なとこで鋭いのよね・・・・。

「べ、別にどーもしないわよ?」
「そうか?なら、いいが。」
「あんなヤツ、関係な・・・」
「おい。お前、人にあれだけ説教しといて、よくそんなセリフが・・」
「あ。ごめんごめん。別に、何でもないってば。ほら、アメリアに顔見せてきなさいよ。・・・あたしは、ちょっと散歩にでも行ってくるから。」
気後れしてるゼルガディスの背中をぐいぐい押して、あたしは出掛けた。



雲一つない空だった。
どこまでも澄みきって、遠くまで見渡せる。
このまま町を出て、どこかへ行こうかな、と思わせるような陽気。

別に、さ。
ガウリイだって、男なんだし。
しかも、あたし、・・・・まだコドモだし。
そういうとこに行くのも、しょーがないのかもしんない。
わざわざ誰にも気付かれないように、夜中にそっと抜け出していくあたりが、彼なりの気遣いなのかも知れないし。
・・・・・・・と、頭ではわかっているのだが。

やっぱ、やだなあ。
やだ。
絶対に、嫌。
考えただけでも、寒気がしちゃうよ。
ガウリイが、他の誰かと・・・なんて。
自分がこんなに焼きもちやきだったなんて、知らなかった。
・・・・あたしが悪いのかな、
あたしが、・・・・させてあげないのが、悪いのかな。
だって。
まだ怖いよ。





ふう。
ため息をつきながら、ぼ〜〜〜〜っと歩いているうちに宿に戻ってしまった。
入り口をくぐり、そこでバケツにけつまづく。

ばしゃあん!
「うきゃあ!!」

「あいたたた・・・・」痛む腰をさすりながら、あたしは悪態をつく。
「まあったく。誰よ、こんなとこにバケツなんか置いたのわ!!」
「あ。悪い悪い、それ、オレ。」
・・・・・ちょっと。
どーでもいーけど、そのフリフリエプロンはやめてよね・・・。
しかも三角巾で頭を覆ったりして。
目の前に、ガウリイがモップを持って立っていた。

あたしは、何か言おうとした。
いつもみたいに、何やってんのよこのクラゲ〜〜〜!って、スリッパですぱこ〜〜〜んと叩こうと思った。
でも。
体は、言うことを聞かなかった。

一言も言わず、あたしはその場を立ち去った。
背後で、ガウリイがぽかん、としているのがわかるような気がした。





その晩、夕食は食べれなかった。
我ながら情けない。
立って歩けるようになったアメリアに、夕食はいらないから寝ると言ったら、ものすごく驚いていた。が、察してくれたのか、何も聞かずに行ってくれた。
ただ、眠い。
何も考えず、眠ってしまおう。

とんとん。
その時だ。
ノックの音がしたのは。
聞かなくてもわかった。誰がノックしたかは。
伊達に何年も一緒に旅をしてきた仲じゃない。ノックの仕方くらい、わかる。
ガウリイだ。

「リナ。夕飯食べないって、ホントか?」
ドアの向こう側から声がした。
めんどくさい。
返事もしたくない。
できれば今、ガウリイの顔は見たくない。
眠ったふりをしていると、静かになった。
諦めてくれたかな。
がちゃがちゃ。
激しくノブを揺する音。何すんのよ?
「リナ。ここを開けてくれ。具合でも悪いのか?!」
まったくもう。心配症なんだから。

がちゃ。
ドアの向こうには、まじめな顔のガウリイ。
もう、さっきみたいなエプロンも、ほっかむりもしていない。
「・・・だいじょぶよ、ちょっと、眠いだけ。」
う〜〜〜ん。自分でも、自分の低い声が怖いなあ。
「眠いって?昨日、ちゃんと寝なかったのか。」
それは、あんたでしょ。
「だいじょうぶだってば。起きたらてきとーに食べるから。先に皆で食べててよ。」
あたしは振り払うようにガウリイから身を離し、ドアを閉めようとした。
だが、閉められない。
ガウリイの手が、ドアを押さえていたからだ。

「ちょ、ガウリイ。あたし、眠いんだけど。」
ガウリイは無言で、無理矢理部屋の中に入ってきた。
「ガウリイ!?」
あたしの抗議の声も無視する。
背後で、ばたんとドアが閉まる音がした。
あたしはよろけて、ドアに寄り掛かる。
ガウリイが、ドアに手をかけて、あたしの方を覗き込む。
ダメだ。これじゃ、逃げ場がない。

「お前・・・今朝からおかしくないか?オレを避けてるだろ。」
「・・・そんなこと・・・」
「ない、とは言えないだろ。いくらオレでもわかるって。」
「・・・・・・。」
「なんか、あったのか。」
「・・・・・・。」
「リナ。頼むから、口をきいてくれ。お前と話ができないのは・・・ちょっと堪える。」
何言ってんのよ。
そんなこと言っても、ごまかされないからね。
「別に。ガウリイこそ、最近、あたしに隠してることない?」
「え。」
ガウリイが固まった。
あ。やっぱり。
心のどこかで、否定してたけど、これじゃ否定のしようがないじゃない。
ガウリイの、バカ。

「あたしに飽きたら、どっか他の女の人のとこ行ってもいいのよ?」
「・・・・・・どういう意味だ・・・?」
「どういう意味も、こういう意味も。あたし、あんたが言ったようにコドモだし。あんたの相手はつとまらないかも知れないって、言ってんの。
だから、もっとオトナで、あんたと互角に付き合える、そういう女の人を探した方がいいんじゃないの。」
止まらない。
「なに・・・言ってんだ?」
ガウリイの眉が、ぎゅっと寄せられる。
怒ってる・・・のかな?
「リナ・・・本気で言ってんのか。」
「ほ・・・ほんき、よ。」
「オレと別れたいのか。」
「そうじゃなくて。あんたの方こそ、あたしと別れたいんじゃないかと思って。」
誰か、止めて。
「何でそんなことを思うんだ。」
「だって・・・・」
言えるわけがない。夜中に、すけべえ屋さんに入って行くとこを見たって。
それで、どす黒い焼きもちがうずまいているんだってことを。
「あたし・・・・・。」
どうしよう。
あたしは、ホントにガウリイと別れたいんじゃない。
ただ、ちょっとショックだっただけ。
このまま、じゃあ別れようって、ガウリイが言ったら・・・・・。

「じゃあ、別れるか。」
「え・・・・」
あたしは、顔をあげる。
すぐ近くに、冷たい目のガウリイ。

う・・・・・・。

ぐっと、咽がつまった。
視線を逸らそうと思った。できなかった。
代わりに、ガウリイの力強い腕が、あたしを拘束していた。

「ガウリイ!?」
「なんで・・・・そんなこと、言うんだよ?泣きそうな顔で。」
「え・・・・・」
あたし、泣きそうな顔、してたの?
「バカだな。確かに、お前さんはまだコドモだって言ったけど。
だからって、嫌いになったりした訳じゃない。むしろ、そういうとこも可愛いと思ってるさ。それが、お前を傷つけたなら、謝るけど。」
「・・・・・・。」
なんで、あたしの欲しかった言葉を、こうもさらっと言ってのけるのよ。
信じられない。
ガウリイが、ガウリイじゃなかったら、よかったのに。
「何を考えてるんだ、リナ。ちゃんと言ってくれ。」
「・・・・・。」
「オレは。」
ぎゅうっと、痛い程に締め付けてくる、情け容赦のない腕。
「お前と別れたくはないからな。絶対。」
「ずるいよ・・・・。」
「え?」
「そんなこと言って・・・・・。あたしじゃ、物足りないくせに・・・」

ガウリイは腕を緩め、あたしの顔を覗き込んだ。
「どうした?何でそんなこと言うんだ。」
「だって・・・・・」
「オレは、お前じゃ物足りないなんて思ったこと、一度もないぞ。
十分すぎて、オツリが来るくらいだ、とは思ったことあるけど。」
耳に、優しく呟く声。
「お前が、ラブレターを貰った時。正直言って、頭の中はパニックだった。
お前がそいつと・・・なんてことになったら、どうしようかって。
オレは、笑ってお前を送りだす自信はこれっぽっちもなかった。
もしかしたら、そいつに斬りかかってしまうかも知れないって。
だからお前の気付かないうちに、町を出るつもりだったんだ。
だが、お前は行かないでくれた。
オレの届くところに、戻ってきてくれた。
オレがどんなに嬉しかったか、わかるか。
この手に、お前を抱く日が来るとは思ってもみなかったんだぞ。」

ガウリイ。
ガウリイ。
ガウリイ。

彼は屈んで、あたしにキスをする。
あたしは目を閉じて、彼に応える。
やっぱり、ガウリイが好き。
他の誰とも、こんなことはしたくない。
たとえ、ガウリイが、夜中に出掛けて行っても・・・・・・・

やっぱ、やだやだ。

つい、と体を離したあたしに、不審そうな顔のガウリイ。
それが見たくなくて、あたしは背中を向ける。

堂々巡り。

すると、ガウリイが、あたしの左手を取った。
後ろでに引っ張られ、あたしはバランスを崩す。
「な・・・・・」
よろめいて振り返ると、そこには、あたしの左手の甲に、キスしているガウリイがいた。
ガウリイが顔をあげると。
あたしの指に、光る何かが見えた。
・・・・・・あれ?

「結婚してくれ、リナ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」

左手の、薬指に光る物。
それは、指環だった。
金色に光る、華奢でシンプルなデザインだけど。
確かに、指環だ。

「・・・・・・ガウリイ?」
あたしは、ガウリイが解放してくれた手を引っ込め、自分の左手をまじまじと見つめる。
「これ・・・・・。」
「アメリアが教えてくれた。セイルーンでは、キスをした男女は、結婚しなくちゃいけないそうだな。それで、女にキスをした男は、何か贈り物をして結婚を申し込むんだって。」
「え・・・」
そう言えば、そんな話を聞いたような気がする。
「ここはセイルーンじゃないけど。オレは、お前以外の女は考えてないから。あのキスは、そういう意味のキスだったと同じことだろ?
・・・・・・だから、お前が望むなら、結婚して欲しい。
ずっとそばに、いてくれ、リナ。」

け・・・・・けっこん!?
あたしの頭は、パニックの連続。

「だ、だって・・・・」
「勿論、正式にはお前の父ちゃんと母ちゃんに許しを貰ってからだけど。
ただ・・・・・・。」
「た、ただ?」
「お前が、オレの大事なヤツだってこと、周りの人間にも一目でわかる、何かが欲しかったんだ。」
「・・・・・ガウリイ・・・・」
「嫌、か?オレじゃ、だめ?」
嫌なわけじゃ・・・・・・。
でも、どうしても、あのことが引っ掛かって・・・・。
ガウリイが嫌いなわけじゃないのに。
胸が痛いよ。

「いやあ、オレ、金ないから苦労したぜ。」
今頃照れくさくなったのか、慌ててガウリイが説明する。
「2,3日で、金になってっていう仕事が中々なくて。宿のおやっさんに頼んだら、夜中のアルバイトがあるって言うから・・・・」
「え。」
「ちょっと、場所が場所なんだが・・・背に腹は変えられないし。
仕事には変わりないし・・・と思って。」
それって・・・・。
「いやあ、リナに知られたら大変だと思って、こっそり抜け出すのに苦労したぜ。朝までかかっちまうし。」
・・・・・・。
「踊り子さんて、すと・・・なんとかが付いちまうんだってな。
その店も、人気の踊り子さんてのがいて、すと・・・なんとかに付きまとわれて。」
すと・・・ストーカー?
「強迫状まできちまって、ほとほと困ってたんだ。それで、オレが警護の仕事にありつけたんだけどな。」
け・・・・。警護!?
「退屈な仕事だったぜえ?誰もいない控え室のドアの前で、ぼ〜〜〜っと立ってるだけなんだからな。でも、ちょうど三日目に、当のすと・・なんとかが現れて、控え室に悪戯しようとしたんだ。そこを、オレがふんじばったわけ。
おかげで、たんまり礼金まで貰えたし。
ちょっと寝不足になっちまったけど、な。」

・・・・・。

ガウリイ。

「!?お、おい、リナ!?」
いきなり飛びついたあたしに、ガウリイが少し慌てた。
あたしは彼の首に手を回し、その胸に顔を埋める。

二人で、じゃんぷしよ。
恋人同士から、いつもの、いつも以上の二人に。

「ガウリイ、好き・・・・・」
「え・・」
「好きだよ、ガウリイ。大好き。」
「リナ・・・・」
「無視したりして、ごめん。あたし、あんたと別れたくなんかない。」
「リナ?」
「ずっと一緒にいたい。これからも、ずっと。」

ガウリイがあたしを抱き締める。
「ずっと?オレで、いいのか?」
「あんたじゃなきゃ、やだ。」
「じゃあ、結婚してくれるか?」
「いいの?それこそ、あたしなんかとで。」
頭に、キス。
「お前がいいんだ。」
耳たぶにキス。
「お前でなきゃ、だめなんだ。」
頬にキス。
「お前だけ。・・・・愛してる。」
唇に、キス。

「ガウリイ・・・・・。」
「今夜は、アメリアと部屋を代わって貰おう。」
「え。ちょっと待ってよ。」
「だめ。オレ、壊れたから。」
「な、な、なによ、それ!?」
「もう我慢できない。キスマークだけなんて、つまらない。」
「ちょ、ガウリイ!?」
「愛してるよ、リナ。」








翌朝。
あたしは、まともに皆の顔が見れなかった。
でもそれは、ガウリイ以外の人間が全員そうだったみたい。

ぎこちなく、あたしたちは宿を出て。
真っ赤なアメリアとゼルに、別れを告げた。
あたしは、また、ガウリイと二人になった。

「リナ。」
「・・・・・え?」
「また、オレが照れるから、甘えてくれない?」
見上げたガウリイは、まるで子犬みたいだった。
「ば・・・か。」
あたしは呟く。
「へへへ♪」
嬉しそうに笑うと、ガウリイはあたしの手を取って歩き出した。
その手に、光る指環。

あたしも、夜のバイトでもしようか、な。
ガウリイにも、お返しの贈り物をしなくちゃね。

ペアの指環の片方を。




























================================おわりる♪

いやあ。ははは。
長くなっちゃいましたね・・・・。もともとは、がうりんが夜中にすけべえ屋さんに入っていくとこを、リナちんが目撃する、っていうネタだったんですが。導入部が長くなっちゃいました。仲良くダブル結婚まで話が発展しちゃうし。こんなハズでわ(汗)
と、ともかく、じゃんぷのリナさいどをお送りしました。
このシリーズは、これで終わりです。
また別の角度から、二人の進展を考えたいと思います♪
では、読んで下さった方に、愛を込めて♪
2000年冬、この『らぶれたあ』『すてっぷ。』『じゃんぷ。』を「そらりあむ読本2・レンアイ編」としてまとめ、一冊の本にしました。タイトルは『すてっぷ。』です。
では、そーらがお送りしました。

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