「好きの気持ち」

例えば言わなくても、あたしが何を考えてるかわかる事。
打ち合わせもしないのに、思った通りに動いてくれる時。
ホントに危ない時にさりげなく守ってくれていたり。
まるで当然のようにあたしの後についてくるくせに、いざと言う時はそれこそ当然のようにあたしの前に出ている事。
それは全て、余りにもさりげなく自然に行われる事なので、普段は滅多に考えない。

あたしが花を奇麗だと言っても、笑わない人。
一緒に青い空をいつまでだって眺めてる人。
思いがけない時に、思いがけない一言で、大事な何かを思いださせてくれる人。
同じ事で本気で怒れる人。
同じ事が許せない人。
あたしが気付かないうちに抱えてた、漠然とした不安てやつを笑い飛ばしてくれる人。
よく考えてみれば。
それはとっても大事な事だった。

空気。
風。
空。
お日様。
木陰。
土の温もり。
不思議ね。
その手には、冷たい金属の武器を手にしているというのに。
いつでも暖かい。
冷たいと思った事は一度もない。


そして今日も、彼は隣にいる。
あたしが怒る時も、笑う時も、戦う時も、食べまくる時も、ひきつる時も、せせら笑う時も、いつでも隣にいた。
いつでも、変わらずに。
世界も、景色も、人も、時代も、皆変わっていくのに。
あなたは変わらない。
たぶん、この先もずっと。
例えその奇麗な髪が、艶を失って色を失っていっても。
あなたは変わらない。

それは、あたしが手に入れた、たったひとつの宝物。
たったひとつの道標。
たったひとつの、故郷。
あなたといる以上、あたしも変わらない。
あなたと一緒にいるあたしは変わったりしない。
大事な事を忘れたりしない。
忘れさせてはくれないだろう。
何が許せないか。
同じ感覚の人だから。
何が奇麗か。
同じように見る人だから。

あたしはあたしでいられる。
他の何かになったりしない。
いつでも隣にいた、あなたの知ってるあたし以外の物に、なったりはしない。
その青い瞳で。
あなたが見た、あたし以外の物には。



これはあたしのひとりごと。
ぼんやりと、いいお天気の空の下。
木陰で昼寝している彼の寝顔を見ながら思ったこと。
だからナイショ。

だってこんな事、わざわざ言わなくてもいいと思って。
何故って彼はずっと隣にいるもの。
ずっと変わらない。
これからも、一緒に歩いて行くんだから。
それは自然な成りゆきで。
約束なんかいらない。
強制なんかしない。
縛り付ける言葉もいらない。
でも、感謝はしてる。
口に出した事はあんまりないけど。

ふと、この気持ちを声に出して告げたくなった。
ありがとうぐらい、言ってあげてもいいよね。
寝顔になら。
ありがとう・・・だと思う。
うん。
ガウリイがいてくれて、良かったと思う。
だから、ありがとう、だよね。
こんな風にほわほわと胸があったかくなる気持ち。
それは時々、ガウリイの顔を見た時に沸き上がることがある。
これって何だろう。
顔を見るとほっとする。
何気ない一言で元気が出る。



よく寝てる。
起きそうにない。
のんきな顔してるなあ。
長い髪の毛が、雑草の中に絡まってる。
はしっこをつまんで、鼻をこちょこちょしてみる。
あ。
むずかゆそーな顔をした。
面白い。
屈んで。
そっと寝顔につぶやいた。

「ガウリイ、」
(ありがと)
・・・・す、き・・・・・」


ぎきょきょけくわ!?
あ、あ、あ、あ、あたし、今、今、な、な、なんつった!?
ありがと、って、ありがとって、言うつもりだったのにぃいいいいい!
寝顔見てたらぽろっと出ちゃったよ!
起きてたらどーしよ・・・・・(だらだらだらだら)

どきどきどきどきどきどきどきどき・・・
だらだらだらだらだらだらだらだら・・・
どきどきどきどきどきどきどきどき・・・
だらだら・・・・

な、なあんだ。
起きないや。
はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
良かった・・・・・・・・・。
好きなんて。好きなんて。
す・・・・(かあああああああぁっ!)
いや〜〜〜〜〜〜〜!
こっぱずかし〜〜〜〜〜〜〜〜!!
助けておかーさーーーーーん!!
ぜえはあ。

・・・でも仰ぎ見た空は青くて。
ガウリイの目みたいに青くて。
いいお天気で。
いい風が吹いて。
他には誰もいなくて。
涼しい木陰で、土の温もりがあって。
それらが全部、あたしの緊張を解いてゆく。
肩の力を抜いていく。
目を閉じた。
うん。
こんな場所なら、素直になれるかもね。
だから、ぽろっと出ちゃったのかも知れない。
出ちゃったのだから、それはきっと、あたしの中にあった言葉なんだわ。
あたし自身が気付かなかっただけで。
そうなのかな。
あたし。
ガウリイが?

よくわかんないけど。
深くは考えたくないけど。
でも大事な事だよね・・・?


彼が片目を開いた・・・・・・・・・・・・・・・。





















================================えんど♪

ああ、少女マンガ状態にハマりまくり(笑)2.0のあおりか!?
いやあ、少女マンガ、いいっす。これほどスレイヤーズに似合わないお題はないと思いつつ、これが結構楽しいです(笑)
でわ、ここまで読んで下さった方に、しょーじょマンガのような純愛を込めて。そーらがお送りいたしました。
さて、この後、どうなったんでしょうね(笑)

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