「コドモとこども」ちびガウ♪  


とある森の中。
ガウリイは彷徨っていた。

「お〜〜〜〜〜〜い、リナあ。ゼル?アメリア〜〜〜。
どぉこ行ったんだあ?」
あやめも分かたぬ霧の中。
ふと、いいにおいに誘われてガウリイは立ち止まった。
よく目を凝らしてみると・・・・・・

『私を食べて(はぁと)』

という、チョコレートのプレートが付いた生クリームケーキがあった。
ガウリイはしばらくそれを見詰めていたが、やおら食った。





「あ〜〜〜〜、まったくひどい霧だったわねえ。」
リナが霧が晴れた辺りを見回して言った。
「大丈夫?皆、ちゃんといる?」
「ガウリイさんがいませんよ。」
「あんのクラゲ、すぐそばにいたくせにどーーーして迷子になんのよ!」
「ガウリイだからな。」
をい。
「・・・ところでリナさん、その子供どうしたんですか?」
「へ?」

アメリアに指摘されてリナが自分の足下を見ると。
そこに小さな子供が立っていた。
年の頃、3,4歳。
黄金の髪に青い瞳。
無邪気な笑顔でリナの顔を見上げていた。
「・・・えへ。」

「ちょ、ちょっとあんた誰?さっきまでこんなのいなかったわよ!」
「そう言えばそうですよね。どこから来たんでしょう。」
「もののけの類いか?」
よく見ると、ぶかぶかの青い毛布にくるまっている。
「ボク、お名前は?どこから来たの?」
アメリアが屈んで覗き込むと、その子供はさっとリナのマントの中に隠れた。
「きゃ。ちょっとどこ入ってんのよ!?」
「あれ。怖がらせちゃったかなあ。
リナさん、リナさんが聞いてくれませんか。」
「なんであたし。」
「だってリナさんになついてるみたいですよ。」
リナの足に小さな手がからんでいる。

「んもう、あたしは子供って苦手なのに。」
3人の視線を浴びておずおずと出てきた子供を、冷静なゼルの目が分析する。
「なあ。こいつ・・・誰かに似ていないか。」
「え。誰かって誰に?」
「よく見てみろ。
・・・金髪。
バカみたいに晴れ上がった春の空みたいな真っ青な目。
くわえてこのトボけた顔。
俺達がよく知っている誰かさんそっくりだ。」
「それってもしかして・・・・ガウリイさん?」
「言われてみれば・・・でもゼル、あんたも結構ゆーわね。」

きょとん、とした顔でガウリイそっくりの子供は3人を見つめ返す。

「まさか、この子、ガウリイさんの隠し子じゃ・・・・!」
「とーとつに何言い出すのよ、アメリア!」リナが慌てる。
「だって、だって、他に考えられないじゃないですか・・・!」
「可能性はある。」うんうんと頷くゼル。
「ゼルまで!」
「リナ、お前、12かそこらの時子供産んだ記憶ないのか」
あくまで冷静な顔。
「あるかい!!」
「と、すると、他の誰かか・・・」
「こんな時まで冷静に分析するなああああっっっ!」
「いや、悪い。ちょっとした冗談なんだが。」
「笑えんわ!!!!」

鬼気迫るリナのマントを、くいくいと子供が引っ張る。
その不安そうな顔を見て、リナは仕方なく腰を降ろし
「あんた、名前は?」ときいた。
すると子供は、にぱっと誰かを彷佛とさせる笑顔で答えた。
「がうりい。」

うええええええええええええ!!??

 



 

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