「続・結婚するってホントですか?」かな? 


本文(こないだの「結婚…」の後のゼフィーリアへの道中だと思ってくださいね)

「あー!暇――!!どっかに仕事落ちてないもんかしらねっ」
「リナ、その台詞今日何回目だよ…?」
ぶわきっ
「ガウリイのくせに口ごたえしなーいっ!今度言ったら殴るわよ!!」
ガウリイはもう殴ってるじゃないかと思ったが、言えば今度はなにをされるかわかっ
たもんじゃないので黙っている。
「あの…」
「ん…?ガウリイなんか言った?」
「いやー?」
「あの…仕事を引き受けていただけないでしょうか?」
リナとガウリイが振り向いたそのさきに、ウエーブのかかった銀色の髪の可愛らしい
女の人がいた。可愛らしいといっても、リナよりは5つくらいは年上だろう。
「報酬は?それしだいね」
「おい、リナさっき仕事が欲しいって言…」
どかげしばきっ
「ガウリイは黙ってなさい」
リナはこういう事を交渉させたらピカイチなのだ。
「金貨50枚ほどで…」
「のった!ついでに51枚にしてねっ!!」
じと目のガウリイ。呆ける女性。
しかしリナは後になって後悔するのだった。
 
こんな仕事だったとわ…(汗)
「詐欺よー!こんなのっ冗談じゃないわよっっ」
リナは今着替えさせられている。
フリルのついたひらひらの黄色とオレンジが基本のチェックのスカート、大きなリボ
ンのついた真っ白いブラウス、髪の毛もポニーテールにして、スカートと同じ布のリ
ボンがくくりつけてある。
「…リナ…似合うじゃないか……」
「ちょっとそんなにじろじろ見ないでよっ恥ずかしいでしょっ!!」
リナは真っ赤になってガウリイに怒鳴る。
「馬子にもい…なんでもない…」
ガウリイはリナの凶悪な視線に気づき、それ以上言えなかった。
ちなみにガウリイの格好は、青いズボンと白いシャツ。髪の毛はみつ編みにしてあっ
たりする。
着替えさせられたのは、そのほうが親しみやすいとかうんたら。
「…でも綺麗だぞ、リナ。花嫁衣裳が楽しみだな?」
「……馬鹿…」
リナは照れくさいためそっぽむいた。
リナとガウリイはついこの間婚約した。それでゼフィーリアへの道中で、路銀がつき
てしまったのだ。
「おねえちゃん」
リナのスカートの裾を引っ張る少女。
「…何?」
「その人おねえちゃんのかれし?」
「なっ」
リナ達の周りに集まってくる子供……
……およそ50人
「ちっ…ちち違うわよっこいつはただのくらげよく・ら・げ!」
真っ赤になって否定する。
「違うのか?」
ガウリイはリナに聞く。ちょっとした意地悪というやつだ。
リナが真っ赤になってどう言おうか考えているそのすきにガウリイは傍にいた男の子
の前にかがんで笑顔で言った。
「このおねえちゃんはな、俺のだから手だすなよ?」
すっぱあぁぁぁんっ
やたらいい音をたててリナはガウリイの頭をスリッパではたいた。
「…どっからでてきたんだ?それ…」
「うるさいわね!乙女の必須アイテムにケチつける気!?」
近くにいた帽子をかぶった男の子が言った。
「おにいちゃん、しんぱいしなくてもだいじょうぶだよ。こんないろけのないおんな
だれがあいてにするんだよ」
「!!」
「わあっリナよせ!!子供相手にドラグスレイブなんてっ」
「しないわよそんなこと!!」
赤いリボンの女の子が言う。
「やっぱりかれしなんだ。どこまでいったの?」
「子供が生意気言うんじゃないのっ!!さっさと並びなさい!!」
 
リナの受けた仕事は幼稚園の遠足の護衛というやつだった。さすが大きな街だけあっ
て、子供の多い事多い事、それで遠足は毎年行っているらしいが、今回は、遠足に行
く山に盗賊団が住みついたということで、やめればいいのに護衛を雇って行うことに
したらしい。
「リナぁそんなに嫌なら今からでも断ればいいんじゃないか?」
ガウリイがリナに小さな声で話す。
「…無理なのよ…」
「へ、何でだ?」
「契約書にサインしちゃったから…ここでやめるなんていったら報酬の倍額のお金だ
さなきゃなんなくなるのよ」
あのあとリナはねばって金貨60枚まで報酬をつりあげたのだ。倍額というと、金貨
120枚ということになる。
 
…にしてもうるさい…どうにかならんのか…これは…
「あたし子供って嫌いだわ」
「へ?そうなのか…?そうか…」
ガウリイが頬をかく。
「…?なんでそんな声出すのよ……?」
「いや、俺子供はたくさん欲しいなぁと思ってたから…リナが子供嫌いとかって考え
てなかったし…」
「…子供ってなんかうるさいだけじゃない…遠慮もないし…」
「そうだけどさぁなんか…」
リナの顔色が変わった。
「し〜ろ〜♪」
リナはガキにスカートをめくられていた。
「…ふっふっふっ…い〜い度胸してんじゃない……このあたしのスカートめくるなん
て……これはそれそうおうのおしおきをしなきゃあいけないわね…」
「よせっリナ!ぼうず逃げろ早く!!」
「ガウリイは〜な〜せ〜!」
ガウリイがリナを後ろからはがいじめにしてるすきにガキ共は逃げた。
「っだ〜!逃げちゃったじゃないの!!」
リナがガウリイのむなぐらにつかみかかったそのとき
「あっリナさんガウリイさんこんなとこにいたんですね!」
銀の髪の女性がリナ達の傍にかけてくる。
「どういうしつけをしてるのよ!?こんなの詐欺よ!!」
「いいえ、詐欺なんかじゃないでしょう?ほ〜らここに契約書が(はぁと)」
「ぐっ」
「今日一日よろしくお願いしますね(はぁと)くれぐれも子供達に乱暴はしないでく
ださいね」
言うとその女性は子供の輪のなかにはいっていった。
 
仕事を無事(!??)終えて、宿に帰ってきた。
だがリナはまだ着替えていなかった。その理由は、ガウリイがこの服のままだったら
食事をおごると言ったのだ。
ドアのノックの音が聞こえる。
リナはドアを開けた。
「じゃ、行くか」
ガウリイはリナの手をとって、宿の外へ出る。
「あれ、宿で食べないの?」
「いーからおいで」
リナとガウリイは、手をつないで歩いた。
「へぇ…ガウリイにしては気が利くじゃない?」
ついた場所は綺麗なレストランだった。
「中に入ろう」
ガウリイはリナの肩に手をおく。
「いらっしゃいませ。お席の方に案内します」
ウェイトレスのおねえさんに案内されて席に着く。
『ウェイトレスのおねえさん』にリナはちょっと連想することがあったが黙ってい
た。
「たまにはいいだろ?こういうとこも」
「うん。でもガウリイがこんなとこにつれてきてくれるなんてちょっと意外だった
な…」
「そうか?」
ガウリイは照れくさそうに頭をかいて苦笑する。
「リナ、今日はもうひとつプレゼントがあるんだ」
「へえ、ガウリイがあたしに?」
ガウリイはテーブルの上に小さな箱を置いた。
「…開けていい?」
「どうぞ」
リナの目が大きく開く。
「ガウリイこれ…」
「気に入ってくれたか?ちょっとかしてみ」
ガウリイはその箱から小さなプレゼントをとりだし、リナの薬指にはめる。
「よくサイズがわかったね…」
「あぁ。いつも見てるからな」
「……ありがとう…すごく嬉しい…」
 
リナがとびきりの笑顔になる。ガウリイもそれにつられて微笑む。
そしてリナの薬指には小さな宝石の輝くエンゲージリング………
 
 
おまけ(台詞のみ〜)
「しかし、おまえさんあぁ言ってたわりに結構面倒見いいじゃないか…」
「……そりゃ仕事だし…それに………やっぱなんでもない」
「それに?何?」
「…やだ…言えない」
「言わないとこうしてやる〜♪」
「やだちょっと…あ…っん……もうっやめてよ」
「言う気になったか?」
「…っ予行演習になるでしょ?あそこまでたくさんの子供を相手にすることはないと
おもうけど…」
「…そっか…」
「なによニヤニヤ…気持ち悪いわね…っ!」
「いや…なんかうれしくて」
「それじゃ早速…」
「…やっあ…ちょっと……んっ」
 
おしまい
最後台詞だけにしました。どこを触るとかちょっとややこしいとこなので…想像はつ
くと思いますが…ははっ
読んでくださった方、ありがとうございました。よろしければ感想なんかいただける
とうれしいです。                      まりえ
 

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