「三つ編みに心を込めて♪」

 
「・・・・・・リナぁ」
「だあああっ!じっとしてなさいよもうっ!」
リナが子供じみた仕草でだだんっ!と足を踏みならす。
「またぐちゃぐちゃになったじゃないのっ!やり直しっ」
顔だけをこちらにやったガウリイの頭を両手で挟み、真正面を向かせる。
「いい?動いたら、余計時間がかかるだけなんだから、大人しくしてるのよ」
「ふぁーい」
いかにもやる気のなさそうな答えを返したガウリイを、リナは一睨みした。
「次動いたら、ファイヤーボールだかんね!」
念押しをして、リナは再び作業にとりかかる。
そんなリナの行動に、ガウリイは半ば諦めを込めて、ため息をついたのだった。
 
 
思い起せば、数十分前の、リナの台詞から始まった。
「・・・ガウリイってさ、髪、結ばないよね」
暇つぶしに、とガウリイの部屋を訪ねてきたリナは小さく呟いた。
「そんなに長くて、邪魔って思ったことないわけ?」
「ん〜〜〜〜〜。そりゃあ、たまには。
けど、あんま意識したことってないし・・・」
「・・・ほぉ〜・・・意識したことないのかぁ・・・。
じゃあ、その髪って何も手入れしてないのね?」
「!?リナ?」
突然、リナの言葉に怒気が含まれ、ガウリイは狼狽える。
「・・・特に・・・・・・」
じりっとあとずさりながらも正直に答える。
ここで嘘を言おうものなら
「うそつけぇぇ!」
などの台詞と共に呪文が飛んでくるに違いないのだから。
「・・・・・・。ねえ、ガウリイ」
突然、リナの声が普通に戻る。
いや、普通というよりも、猫なで声か。
「ガウリイの髪、ちょっといじらせてくんない?」
「・・・・・・え?」
ファイヤーボール辺りを覚悟していたガウリイが顔をあげると、リナがにっこり笑っていた。・・・恐い。
「いいでしょ、べつに。いいわよね?」
「・・・・・・はい」
結局、目の座ったリナの迫力には勝てず、ガウリイは素直にうなずいたのだった。
 
それから「とりあえずね〜♪」とか何とか言って始めた三つ編みがなかなか決まらず、今に至る。
「なんでガウリイの髪ってこんなにさらさらなのよっ。
編みにくくてしょーがななかったわよ!」
「・・・何でって言われても」
不条理な質問にガウリイが唸ってると、リナはぽんっと立ち上がった。
「でも・・・何とか様にはなったわ♪」
「え・・・・・・」
さっきまで文句ぶちぶち言ってたくせに、ちょーしいい奴。
ガウリイは感覚からして、自分の三つ編みは大きくひとつにまとめられたようだと結論づけた。
「うーん、うまくいった♪」
椅子に座ったガウリイのまわりを一回りし、様々な角度から観察していたリナが満足気な感想をもらす。
「少し違和感もあるけど、けっこう似合うじゃない♪」
リナはガウリイの正面でぴたりと歩みを止める。
「これからも、ずっとむすんでればいいのに」
よほど気に入ったのか、そんなことまで言いだした。
上機嫌でガウリイの前髪さえいじくりはじめたリナの顔を見上げ、ガウリイは呟く。
「・・・キスしてくれたら」
「・・・へ?」
「キスしてくれたら、むすんどいてやる」
「な、な、な、な、な、な・・・!」
顔を真っ赤に上気させ、「な」を連発するリナ。
「いやなのか?なら、とる」
手を背中に回し、三つ編みをつまむガウリイ。
「だめぇっ!せっかくやったんだからっ!!」
「じゃ、キス」
「う〜〜〜〜〜〜」
リナが唸っている間に、ガウリイは目を閉じる。
もう、リナがキスをするのは当然だ、と構えている。
「・・・一回だけだからね!」
「わかってる」
「・・・・・・ちょっとだけ、だかんね!」
「わかってるって」
「・・・・・・・・・じゃあ・・・」
 
ちゅ♪
 
軽く、本当に軽く唇を合わせた後、身を引こうとしたリナを、ガウリイは思いきり引き寄せた。
当然、リナはバランスを崩して倒れこむ。
「きゃあっ!
・・・何よ、一回だけでしょ!?」
「リナからのはな。
今度はオレからしてやるよ♪」
「いいっ!離し・・・・・・むぐっ!?」
 
ちゃんちゃん♪
 
 
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==はぁ〜、疲れた。リナちゃんにキスさせるって大変でした。
ガウリイが三つ編みしてるのは、スレイヤーズに出会った頃の疑問「ガウリイのあの髪は邪魔ではないのか」を昇華させるためです(笑)
とちゅう、リナちゃんにL様モードが入っているのは気のせい??(作者がこんなんでどーする)
 
まだまだ未熟な文章(言葉の羅列ともいう)ですみません。
スノウでした♪

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