『夜明けの女神』




空が赤く染まっている
夜を抜け朝が訪れる

昼と夜との境界線

徐々に差し込んでくる朝の光を浴びながら、オレの女神が目を覚ました。


夜は愛し合った熱を闇へと逃がす
闇の中、熱く赤く染まったその肌は朝の中まばゆいほどに白く輝く


ぼんやりと目を見開いて、半身を起こし・・
朝の冷気に体をふるわせるリナに、オレは窓から離れて、またベットへと滑り込む。

彼女を腕に抱くために

朝の光は暖かいが、夜の冷気はまだそこにある

体温を与えるように抱いてやると、リナはオレの胸に顔を埋め、一つ満足げに息をついた。


今はオレだけの夜明けの女神


夜の中、オレはオレの証を彼女に刻む
腕に
胸に
首筋に
彼女の中に

今も彼女の肌に咲く所有のバラ
消える前に刻まれるせめてもの

いくら体を重ねても
いくら夜に落としても
彼女の本質は変わらない
オレの色には染まらない


夜明けの光を浴びながら、
リナは女神へと変わっていく
出会ったときと変わらない、あのころと同じ光を宿したままの



変わらない彼女に安堵して、
そんなリナがいとおしくて、
そしてそれが少し切ない。

彼女は変わらない
今までも、そしてこれからも


オレだけの物にはけして落とせないオレのリナ

そんな彼女を愛しているから

夜明けにリナを見るのは少し切ない

だからリナを抱きしめる
今だけは自分だけの物でいてくれるように

太陽が高く昇れば
彼女はオレの手をすり抜ける
また前を向いて歩み始める

何があろうと彼女を守る
そばにあれるだけでいい


だから今だけは


彼女の瞳に光が宿るのを見つめながら
オレは今日も朝を迎える


ともに今日の日を歩むために




Fin




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