『横顔』


そんなに悲しそうな顔をしないでくれ。
なんでもそう一人で抱え込まないでくれ。
辛い事があるなら俺にもその辛さを分けてくれ。

今にもつぶれそうじゃないか。
「大丈夫」じゃないだろう。
深紅の瞳はいつもの光を失っている。
俺じゃ頼りにならないか・・・。

こんなにも近くにいるのにどうにもならない。
こんなにも無力であることを思い知らされる。
やるせなさが俺を襲う。
どうすればおまえは楽になる?
何て言えばおまえの笑顔を取り戻せる?

誤魔化さないでくれ。
いつも笑顔の仮面をかぶる。
そんなもの俺の前では捨ててくれ。
何も繕わないでくれ。
どんな時だってありのままのおまえを俺は愛している。
でもこの気持ちをおまえに伝えることが怖い。
おまえの隣に居られなくなりそうで・・・。

俺にはもうおまえしか見えない。
どんな時でも心はおまえの横顔を見ている。

闇の中でさえも輝いている。
俺の心を癒し、そしてやさしく照らしてくれる。
だが、俺はおまえにとって必要なモノだろうか。

耐えないでくれ。
泣きたい時は。
全てを俺にぶつけてくれ。

おまえは強く激しく輝く。
でも抱きしめたら壊れそうなくらい儚い。
もう誰にも譲れない、譲ることはできない。
俺の心が叫んでる。

手に入れたいものは唯一つだけ。
ほかには何もいらない、欲しくない。
こんな自分に少し戸惑うほど愛しい気持ちが溢れる。

護るよ。
どんな物からでも。
おまえの笑った横顔を見ていられるなら。
誓うよ。
どんな時も隣にいることを。
おまえが望んでくれるなら。
必ず・・・。










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