「やだ、冗談だってぱぁ。」
リナが後ろからぷすっとふくれて言ってくる。
おれはそんな言葉が聞きたくなくて、振り向かずに歩いていく。
わがままだとは思った。
リナからそのひとことが聞きたかっただけだった。
でもこの奥手の彼女がいえるはずもないだろうに。
わかっているのに。
でも、そのひとことが聞きたくて。
ちょっと、意地悪だったかな・・・・
もう子供から女性へと成長した、なにより大切な存在。
初めてあった木漏れ日の中のあのときから、
ずっとそばにいたいとおもった。
守りたいとおもった。
【保護者】という言葉じゃなくて
【愛しい人】と心の中では呼んでいるのに。
声にだして言いたいのに。。
でも、いってしまうと夢から醒めそうで。
はずかしがって困ってしまう彼女だから。
あの壊れそうな華奢な体で
いつも前を向き、生気にあふれた紅い瞳を輝かせて。
ばかだな・・・・・
いつもお前を喜ばせていたいのに。
笑顔を見ていたいのに。
自分の夢から抜け出せなくて。
ふっとうつむいて微笑んでいた。
___好きだよ。好きだ。誰よりも。___
世界がふるえるほどに。
いつかこの関係を壊せるのなら。
その時は大声で告げよう。
でも、彼女はまだ恥ずかしいらしい。
「・・・・・・ごめんね・・・・」
ぽつりとつぶやいて、顔を見上げる。
その表情が愛しくて。
その存在にふれていたくて。
柔らかな栗色の髪を撫でる。
ぽっと顔を赤らめながら、まぶしい笑顔。
今はこれで十分じゃないか。
だけど、いつか伝えよう。
いつか伝えてもらおう。
__好きよ。好きよ好きよ誰よりも好きよ___
__愛してる。誰よりも___
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