『手と手は伝える…テツダエル』



「じゃ、なんだ?」
ガウリイにマジに詰め寄られて、あたしは赤面硬直してしまう。
このままじゃ埒があかないと腹をくくったか、ガウリイがもう一歩詰め寄る。だ、だめ。心臓が爆発する。
「…するのか?」
「今は、嫌。」
「じゃ、明日ならするのか?」
「明日も嫌。このままじゃ嫌。」
へ?とシリアスモードから一転、呆けた顔になる。あたし、ガウリイのこんな顔好きだ。
「このまま?って、なんだ?」
「言葉どおりよ。」
うーーん、と考えこんでる…ふりだな、こひつは。
「このまま、って、今までのままってことか?」
あたしはコクコクと頷く。
「じゃあ、今までと違えば良い訳だ。」
「ま、そう言えばそうなるけど…。」
ガウリイが一瞬すごく悲しそうに微笑んだような気がしたのはあたしの見間違い?

 え?
ふんわりと暖かいものがあたしの手を包む。大きくて、暖かい、手。ガウリイの手だ。節くれだって、ごつごつとした、男の人の手だ。ガウリイがあたしの目を見つめる。大きな暖かい手があたしの手をそっと握る。望んでいた言葉より、何よりも伝わってくる…想い。判っていた。でも、確かめたかった…想い。
「オレはいい加減な気持ちで周りに乗せられていたわけじゃないぞ。」
そうだった。剣術バカで不器用なガウリイがいつもこの手であたしを包んで守ってくれていた事を、あたしは知っていたはずなのに。
「ガウリイ…。」
耳元で欲しかった言葉が囁かれる。
涙にかすむ目であたしは見つめ返す。

それに答えて、ガウリイの顔が再びあたしに顔に近付いてきた……ガウリイの瞳にあたしが映っている。あたしの瞳にもガウリイが、ガウリイだけが映っている筈だ。答えるように、ガウリイの瞳がゆっくりと近づいてきて、あたしはもう何も考えられなくなった…。

どがずがばたんっ!!

あ、ごめん、アメリア。あんたがいた事忘れてたわ。


 晴れ渡った空に白い鳩が飛ぶ。まばゆい日の光に包まれて、新郎新婦が今祭壇の前で永久の愛を誓おうとしている。

「あら、リナったら、厚化粧は嫌だってあれだけ言ってたのに、結構しっかりばっちりしてんのね。いやだ、首まで丹念に塗って。でも、孫にも衣装よね。良く化けたモンよ。ま、あたしには負けるけどね。」
「いいじゃないですか、マルチナさん。一生に一度の晴れ姿なんですから。(小声で)ホント…一生に一度にしてもらいたいもんです。」
「そんなもんなの?」
「そんなもんです。」
「それにしても、アメリア。あんた人の晴れの席に出席している割には随分とぼろっちいじゃない。あらあら、こぶまで作って。」
「いいんです。これで。一つの愛がめでたく生まれたんですから。ええ、めでたくね。」
こんどは、自分の縁結びの手伝いをさせてやる!と心に固く誓ったアメリアだった。


おしまい。


言いわけ〜。
文章力のないのをカバーさせてください。どうしてアメリアが倒れてしまったのか?
1. 朝から長い時間リナの支度に付き合っていて、疲れた。
2. リナの支度に付き合いすぎて正義の実践ができず、禁断症状がでた。
3. 目も当てられないシーンを目撃して、刺激の余りにのぼせた。
さ、どれでしょう(笑)?
つたない文章で失礼致しました。(この話ぢつは前後もあったりして…爆)





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