「飲む酒飲まれて酔い倒れ♪」

今回は音声のみの中継となっておりまする♪




「おーーーーい、ゼルガディス、こっちこっち♪」
がやがや。
「ずいぶん賑やかなとこで飲んでるな。」
がたん。
「マスター♪こっちにもグラスくれ。」
「何飲んでるんだ。」
「これか?なんか知らんがうまいぞ。うお・・・うお・・・魚と蚊?」
「ウォッカだろ。」
「それそれ。お前もこれにする?」
「やめておく。ダンナにつきあってるとこっちが身がもたん。親父、俺はダブルで。」
「ダブル?いいなあ。オレはさ、でかいから結構狭くて。」
「何の話だ。」
「いや、だからベッド。」
「・・・・・あのなあ。」
「そんなに眉間にシワ寄せるなよ♪今晩くらいは楽しく飲もうぜ♪どうせまたしばらく会えないんだろ?」
「・・・・・」

「やっぱセイルーンには行かないつもりか。」
「・・・・・その話はよそう。・・・ところで、女性陣はどうした?」
「あ?ああ。なんだか三人で風呂屋に出掛けたぞ。旅のホコリを落としまくる!とか言って。なんて言ったか、新しいサービスを始めた風呂屋があるんだと。」
「サービス?」
「え〜〜〜〜と、なんだっけ、ああ!」
ぽん。
「バストサロン。」
「・・・・エステサロンだろ。」
「ははは♪いちいち細かいヤツだな。・・・出世せんぞ。」
「俺はサラリーマンか!」
「なあ、ところでそれってなに?」
「・・・俺に聞くなよ。」
「いや、ゼルって物識りだから。
今回随分活躍したって誰かが言ってたぞ。そーだったけか?」
「ふん。放っとけ。俺はこう見えても末は博士か大臣かと、よく言われたもんだ。」
「誰に?」
「・・・・・ダンナも結構ツっこむな。」
「お前さんの真似だよ♪」
「あのなあ。」
「ま、いーからいーから。グラスも来たし!」

 かちん。
「かんぱ〜〜〜〜〜い♪」
「・・・・・」
「暗い顔すんなって。アメリアとなんかあったのか。」

ぶーーーーーーーーーーーーーー。

「うわ。吹くな!汚いだろ!」
「吹くようなことを言うダンナが悪い!」
「なんかあったんだな?」
「・・・・・」
「もう吹くなよ。」
「しつこい!」
ごくごくごくごくごく。ふーーーーーーーー。
「マスター♪これ無くなっちゃった。次のボトル出して♪」
「ウォッカをジュースみたいに飲み干すなよ・・・・」
「まあまあ。それで。」
「何が。」
「だからアメリアだろ。どうなった。」
「あんたクラゲの割りに物覚えいいな。」
「クラゲ言うなよ。それ言うのはリナだけだぜ。」
「あれ。他の奴に呼ばれるとあんたでもハラが立つのか。」
「オレの話はいーから。アメリアはあん時、お前にセイルーンに一緒に行って欲しいって、
言ったんだろ?」
「何故それを。」
「リナが言ってた。ゼルはどうすんのか、ってニヤニヤしてたぞ。あれで結構お節介焼きだよな、自分でも自覚してないみたいだけど。」
「のろけに来たなら、俺は帰るぞ。」
「どこがのろけだ。」
「そういうとこが。」
「・・・・・」
「・・・・・」

「やめよう。ヤロー同志で見詰めあっても気持ち悪いだけだ。」
「同感。」
「んで、どーするんだ。行くのか。」
「・・・・・」
「また皆、離ればなれだな。フィリアはここで骨とう品屋を開くって息巻いてたぞ。ジラスとかグラボスとかこき使って。アメリアは一旦セイルーンに戻らなきゃならんだろ。あれで一応お姫さんだからな。リナはこの新大陸ってやつを探検したいみたいだし、オレは光の剣の代わりを探さなきゃならんしな。」
「そんで、ダンナはリナと一緒に行くんだろ。」
「?そのつもりだけど。」

「・・・なあ。聞いていいか。前から一度、ちゃんと聞いておきたかったんだが。」
「何だよ?」
「あんた、リナのどこがいいんだ?」

ぶーーーーーーーーーーーーー。


「吹くなって言ったのはダンナだぜ。」
「げほげほ。お前・・・・」
「保護者保護者って最近言わなくなったろ。ま、初対面の人には言ったりするけど。なんか心境の変化でもあったのかな、と、ま、俺なりに推測してみたんだが?」
「・・・言わなくなったか?」
「ああ。・・・気がついてなかったのか。」
「ちっとも。」
「・・・・・」
「まあいい。例えばこれから先どうするって時に、あんたは悩まずリナに付いていくだろ。俺にはそんな風に事は簡単に運べん。一体どーなってるのかって思ってな。」
「うーーーーーーん。」
「ずばり、ホレてるのか。」
「・・・」
「吹くなよ。」
「・・・お前さんもたいがいしつこいな。」
「バレたか。俺は執念深い質なんだ。」
「知ってるよ。」
「そうか。それで。」
「・・・忘れてくれたかと思ったのに。」
「俺はダンナじゃない。」
「・・・・どーいう意味だ。」
「そーいう意味。」
「・・・・・」

「実を言うと、俺は一時期、結構リナが気になった時があったんだ。」
「・・・知ってる。」
「え。・・・ウソだろ?」
「ウソじゃない。知ってたさ、ゼルガディス。それで?」
ごほん。
「えーーーー。そ、それでだな、自分でも考えてみたんだが。
リナってのはなんていうか、エネルギーの固まりみたいなヤツだよな。ちまっちゃい体型の割にそういうとこが面白くて、何となく気になっただけなんだ。」
「だけ?」
「黙って聞けよ。ところがあいつと来たら、そのエネルギーの使い方たるや食い気と金と盗賊いじめにしか向かん。あれくらいの年令になればそろそろ、男の目を気にしたりして少しはおとなしくなるだろ?それがどうだ、おとなしくなるどころか年々ひどくなってる気がする。恋愛の対象としては、ツキノワグマを相手にバラードを歌って口説くよりひどい。」
「歌ったことあるのか。」
「茶化すな!」
「悪い。続けろ。」
「確かに、魔力は人並み以上だし、戦略ていうか、ずるは得意だ。手段を選ばず目的を達成するには心強い味方ってとこだな。だが、もし俺達が、壮年に達して家を持ち、さあ一致団結して穏やかで温かい家族を作ろう!と思った時、これほど不似合いなヤツはおらんだろう。」
「一致団結した家庭が欲しいか。」
「例え話だ。俺達だって、いつまでも旅の空ってわけにも行かんだろう。」
「・・・どうかな。」
「ダンナはこういうこと考えないのか。」
「・・・。オレはどうだっていい。」
「・・・・・」
「オレに穏やかな家庭が持てるかどーかそんなのわからん。
ただ子孫を残さなきゃ、と光の剣を持ってた時は考えたことがある。
俺の代で絶えたんじゃ、ご先祖さまに申し訳がたたんからな。」
「・・・今はどうなんだ?」

ごくごく。たん。からから。
とくとくとくとくとく。
くい。ごくごく。


「さあ?オレにもわからん。どうだっていいことなんだ、そんなのは。」
「将来について考えないのか。」
「未来なんて不安定なもんさ。今から思い悩んだってどーにもならん。
そんときゃそんとき。オレには今の方が大事だから。」
「・・・・・あんた、・・・・リナのことで・・・・・?」
「リナには言うな。
オレが未来を考えないのは自分のせいだって思い込む。
そーいうヤツだから。」
「・・・・・」
「オレは今のことだけ考えてる。
次はどこへ行くのか、何を食うのか、どこへ泊まるのか。
先のことは、リナに任せてるさ。」
「・・・・・・どっちにしろ、あんたの未来はリナと共にあるってわけか。」
「まあ、そういうことだ。
それを保護者とか、ヒモとか、好きに読んでくれて構わん。
オレにはどーだっていいことだから。」

ごくごくごくごく。
ふーーーー。からん。

「・・・かなわないな。」

「何か言ったか?」
「いや。別に。親父、お代わり。」
「それで。オレのことはいーからお前さんだ。アメリアが好きなんだろ?」
「・・・」
「吹かないのか。」
「あんたもたいがいしつこいな。」
「そうか?」
「・・・俺は、セイルーンには行かん。」

からん。
「親父、まだか?」
からん。すーーーーー、たん。
「お、サンクス。」
くい。ごくごく。

「アメリア、泣くぜ。」
「言うなよ、それが一番の問題なんだから。」
「なんだ、やっぱ気にしてんのか。」
「・・・あのでっかい目で泣かれるとたまらん。」
「なんで行かないんだ。まだその体のこと気にしてんのか。かっこいーのに。」
「アメリアと同じことゆーな!
まだ、なんて軽々しく言って欲しくないね。
大体、皆俺の気持ちがちっともわかってない。
俺が今も一番に望むことは、この体を元に戻すことなんだ。
他のことはこの際二の次だ。悪いが。」
「なんで元に戻りたいんだ?」
「・・・・・」
「そこまで言うなら、理由があるんだろ?」
「理由?」
「そいつを言ってやらんと、アメリアは納得しないぜ。」
「・・・」
「理由・・・・戻りたいから、じゃダメか。」
「却下だな。」
「・・・・・」
「そんなに悩むことか?」
「自分でもよくわからない。戻ってそれからどうしたいのか。今の自分の状態じゃ、何をどうやって将来につなげていけばいいのか見えん。だから、それをするためにも一刻も早く人間の体になって、普通の人間の将来として考えたい。」
「穏やかで温かい家庭か。」
「・・・・さあ。」
「今のままでも、それは持てるんじゃないか?」
「そうかも知れん。そうでないかも知れん。俺の体は外見だけおかしいんじゃない。ロックゴーレムとプロウデーモン。寿命ひとつ取ったって、人間とは違いすぎる。」
「人間にそんなにこだわらなくてもいいと思うけどな。」
「・・・ガウリイ?」
「いや、別に。こっちの話。先に進めよ。」
「そんな俺が、どうやってアメリアとセイルーンに行けるんだ。例え彼女がそう願ったとしても、俺は最終的に彼女を裏切る。彼女は普通に年を取っていき、先に寿命を迎える。その時、俺は今の姿と寸分違わずそんな彼女を看取らなきゃならんのかも知れん。
それは彼女が取った年に対し、裏切りに等しい。」
「・・・・・」
「それにまだ、俺は自分の気持ちがよくわからん。アメリアに泣かれたくないのは本心だが、彼女が俺にとって唯一かけがえのない存在なのか。それから彼女にとっても、俺は絶対の存在なのか。単に自分の住んでる世界とは違う、ちょっと変わった人に惹かれたってだけかも知れん。」
「それはないと思うぞ。アメリアに限って。」
「何故わかる。」
「わかるさ。お前にはわからないのか。」
「わからんな。」
「修行が足りん。出直せ。今のお前じゃ、アメリアに対して失礼だ。」

がたん。

「・・・・あんたに何がわかる。」
「わからんね。自分に自信がないヤツのことは。・・・リナならこう言うぜ。」
「・・・・・ダンナって、結構食えない人だったんだな。」
「オレを食ってもうまくないぞ。」
ぷっ。
「まあ、座れ。今夜はとことん付き合ってやる。溜めてるもの吐き出しちまえ。言っておくがホントに吐くなよ。オレはヤローの介抱をする趣味ないからな。」
「リナならいいのか。」
「聞くだけ野暮だ。」
「野暮か。」
「野暮だ。」
「野暮か・・・・ははは。」
「怒ったり笑ったり忙しいヤツだ。」
「ははは。」

からん。かちん。

「女どもはどうしてるかな。」
「さあな。」
「ここでこんな話してるなんて夢にも思わんだろうな。」
「ふ。知ってほしくないしな。」
「やっぱりダンナにはかなわん。」
「そうか?ま、飲め。」
「おう。飲むさ。」
「マスター。こっちにお代わり。オレに新しいボトルね。」





 ぐーーーーーーーー
 ごおおおおおおおおお。



「まったく帰ってこないと思ったらこんなとこで酔いつぶれて!」
「リナさん、どうしましょうこれ。あたし達じゃ宿屋まで運べませんよ。」
「あら。大丈夫ですよ。これくらい軽い軽い。」
「あ。フィリアさん力持ち♪じゃ、ゼルガディスさんお願いします。重いですよ。」
「大丈夫よ、あなたの大事な人には傷を付けませんから。」
ぽ。

「や、やだフィリアさんてば。あははははは♪」
「よいしょっと。おっもーーーーー。」
「あ、リナさん。次、ガウリイさんも運びますよ?」
「あ?あーいーのいーの!いつものことだから。肩貸してやりゃ、無意識で歩くのよ。ほとんど野生ね。まったくどういう育ちしてんだか。ほらガウリイ、行くわよ。」
「んーーーーーーーーー。」
ゆらり。

「ホントだ。凄い。さすがリナさん。ガウリイさんのことはよくわかってますね。」
「これでも長い付き合いだからね。んじゃ、宿屋へ帰ろ。男ども部屋へ放り込んだら、あたし達もどっかへ飲みに行こーよ。次いつ会えるかわかんないし。」
「そうですね。」
「いいですね♪では行きましょう、フィリアさん。」
「はい。」
「・・・ったく、男は気楽でいーわよね。なんかありゃ、こーやって酔いつぶれて、そんで朝には忘れちゃうんだから。女はそーは行かないわよ。わかってんのかしらね?」
「ふふふ。そうですね。わかってないでしょうね。」
「でも、忘れてくれるなら、酔いつぶれてくれたっていいです。それで少しでも気が晴れるなら。」
「アメリア、おっとな〜〜〜〜。」
「茶化さないで下さい。」
「ゼルは忘れてほしーようなこと、たくさん抱えてるもんね。」
「別に、ゼルガディスさんのことを言ったんじゃありません。」
「照れてる照れてる♪」
うりうり。
「リナさん、それくらいにしないと、ガウリイさんが倒れますよ。」
「おっといけない。ほらほら、きりきり歩く!」

「hーーーーーーー。リナあ

「あ、こら!抱きつくな!中年のオヤジかあんたは!セクハラで訴えるわよ!」
「いーーーーじゃないかあ。」
「やめれーーーー!!!」
「うふふ。ほほえましいですねえ。」
「・・・そうですかあ?」



























==========================おわりる♪
はい。いかがでしたでしょうか。そういや、ここんとこさっぱり飲みに行ってないそーら。お酒もとーぜん飲んでません。もともと弱いです。飲み屋を決める基本は、酒より料理ですね♪美味しくてお値段リーズナブルが一番(おひ・笑)
なんかゼルもガウも性格変わってる気がしますが、お酒のせいだと思って下さい(^^;;)もっとギャグになると思ったんですが、なんか途中深刻になっちゃって、どーしよーかと思いました。それでは、このお話をライムさんに捧げます♪リクエストに見事お答えできたか、ご本人の判断を仰ぎたいと思います。では、ここまで読んで下さってありがとうございました♪できましたら、感想などお聞かせ下さい。
そーらがお送りしました♪

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