fatalism


リナ達は旅の途中、近道と言って山に入ったまでは良かったが道を間違え野宿をするはめになった。
そして、そんな夜、ゼルガディスとガウリイが交代で見張りをしている。

「ゼルガディスさん。」
不意に、見張りをしていたゼルガディスにアメリアが声を掛けてくる。
「差し入れを持ってきました。」
アメリアはゼルガディスに暖かな香茶を差しだし、隣に座っても良いかと聞く。
するとゼルガディスは、辺りを確認して、アメリアに座って良いと合図するかのように右腕を上げた。
アメリアはちょこりとゼルガディスの横に座ると、ゼルガディスは自分がくるまっていた毛布をアメリアにも掛ける。
「あったか〜〜〜い。」
アメリアは掛けられた毛布に更にくるまりゼルガディスにひっつくのだった。

「ねぇ、ゼルガディスさん星が綺麗ですね。」
「んん。
ああ、こんな山奥だと街の明かりが届かないし、この高さだと普段小さな星もよく見えるからな。」
アメリアは満天の星を見上げ嬉しそうに微笑む、ゼルガディスはそれを横目で見ると同じように星を見上げると、
「星は、人の数だけあるんですよね。」
「……。」
「こんな沢山の中、ゼルガディスさんと出会えたのって、凄いことだと思いませんか。」
アメリアは、ゼルガディスに聞くと、ゼルガディスは、細く笑み
「何万、何千の確率…あるいは、
巡り巡る運ってヤツかもな。」
「運かぁ。
でも運て、ころころ変わるんですよね、だったら私の想いは宿命かな
ゼルガディスさん以外好きなんてなれないから。」
アメリアは照れ笑いをしながらゼルガディスの方を見ると、ゼルガディスは苦笑いをする。
自分だけを思ってくれると言うのは男冥利に尽きるが、自分にはそんな資格はないと言ったところだろう。
「俺は、宿命なんて言えないよ。」
ゼルガディスが小さく呟く。
「そうですね、ゼルガディスさんロングヘアのおとなしい女の人を見るとすぐ鼻の下伸ばしますよね。」
アメリアは”うんうん”と頷きながらに言うと、ゼルガディスはふくれっ面をしアメリアを睨む。
「何時俺が鼻の下を伸ばしたんだ!!。」
アメリアはゼルガディスの反応にくすくす笑いながら
「シルフィールさんに、ミワンさん………あっ、その顔!!
思い出してきましたね、うきっーーーーー悔しいですぅ!!!。」
アメリアはぽかぽかゼルガディスを叩く。
「いたたたたっ、痛いアメリア、お前自分でいっておいて怒るんじゃない。」
ゼルガディスはアメリアを叱りつけると、アメリアは「そうでした」と、叩くのをやめるのだった。
また、ゼルガディスは2・3回咳払いをすると、
「運てものは何時かつきる。
そう考えれば、俺にとって、最後に巡り付くのがアメリアなのだろう。」
と、優しく微笑む。
つまり、いろんな女と出会っても、アメリアに出会えば次はない、アメリアとは何れ出会う運命といや定められた宿命だとゼルガディスは言った。
アメリアの顔は赤くなり瞬間湯沸かし器のように湯気が上がる。
そしてこの二人がこの後どうなったかは、お星様の見知るところ……いやもう一人。

「…あれぇ、ガウリイ
ゼルと見張りの交代に行ったんじゃないの?。」
リナが聞くと
「もう少し…後にしようかと思ってな。」
と、ガウリイは頬を引っ掻きながら言うのだった。

















おしまい。