「お揃い」

 
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ザアアァァァァァァ
パシャパシャパシャ
「あーもう!いきなり降ってくるなんて!」
「そんなこと言ってもどうにもならんだろう」
「うー濡れちゃいますぅ」
「おい,あそこにでっかい木があるぞ!」
「よくやったガウリイ!はやく行くわよ!」
パシャパシャパシャ
 
ザアアァァァァァァ
「はあ・・・この様子だと当分やみそうにないわね」
 ある日の午後。リナ達正義の仲良し四人組(笑)は,とある街道を歩いていたのだが突然の雨にこうして木の下で雨宿りをするはめとなった。
「・・・・・・」
聞こえるのは雨の音だけ。みんな黙ったままだ。と,その時
「っくしゅん」
「アメリア?」
 アメリアが小さくくしゃみをした。無理もない,リナやゼルガディスはマントがあるので服自体はほとんど濡れていないが,アメリアはびしょぬれだ。ガウリイは・・・びしょぬれだがほっといても大丈夫だろう。(笑)
「このままじゃ風邪をひくな。ったく」
 そういってゼルガディスはマントから袋を取り出す。リナと同じようにマントに物入れがついているらしい。←だがどこにそんなスペースがあるのだろう?
 そして取り出した袋の中のものをアメリアに手渡す。
「アメリア,これをつかえ」
 手渡したのは白い法衣で,ゼルガディスがいつも着ているものと同じもの。
「え,でもいいんですか?」
「いいから着替えろ。おまえが風邪をひくと俺が困る」
 『俺が困る』の『俺が』のあたりが『みんなが』ではないことからゼルガディスが本気で心配していることがうかがえる。心なしか顔も赤い。それがわかったのかアメリアは納得し,はい♪とにっこり笑って返事をした。
「リナ,壁をつくってやれ。それからガウリイ,おまえは向こう向いてろ」
 そうゼルガディスが言うと,リナははいはいと自分のマントで壁をつくる。ガウリイは
「壁をつくるなら別に向こう見なくてもいいんじゃないか?」と言ったが,リナとゼルガディスの「おまえ(あんた)殺されたいの(か)?」の一言でおとなしく向こうを向いた。
 
「はい,終了。結構似合ってんじゃない,アメリア」
「えへへ〜嬉しいです」
ゼルガディスとアメリアの服のサイズは違うので多少だぼだぼだが,それでもよく似合っていた。
「どう?ゼル,ご感想は?」
 リナがニヤニヤしながら言った。あきらかにからかっている。ゼルガディスもそれがわかっているのでうかつに言えない。正直に言えばリナのからかいの嵐に遭うことが目に見えているからだ。
「あの・・・どうですか?」
 ゼルガディスがなかなか言わないのでアメリアが心配そうに言う。こんな風にアメリアに言われてはゼルガディスも答えないわけにはいかないだろう。
「・・・・・かわいいと思うぞ」
 ぼそりと言ったその言葉にアメリアの顔がまんえんの笑みにかわる。
が,
「あら〜ゼルちゃんてばアメリアに『かわいい』な・ん・て(はあと)」
 エルフのごとく耳のいいリナには聞こえていたらしい。
「てっきりゼルのことだからせいぜい『似合うぞ』ぐらいだと思ってたけど『かわいい』だもんね〜。あら,ゼルもアメリアも顔が真っ赤」
「ほっとけ!」
「ほっといて下さい!」
こうして,リナのからかい攻撃はこの後雨が上がってアメリアの服が乾くまで延々と続いたらしい。
合唱。
 


おまけ
 
ガウリイ「そういやゼル,おまえさんなんで二着も同じ服持ってるんだ?」
リナ「そうよね,別に持っててもかさばるだけだと思うし」
アメリア「どうしてなんですか?」
ゼルガディス「ああ,それはな,そこの自称天才魔導師サンがことあるごとに魔法でふっとばしてくれるからだ」
リナ「そこにいるあんたが悪いんでしょ」
ゼルガディス「三日前,旦那との食事争奪戦のときにじゃまだからといっしょにディム・ウィン」
リナ「うっ・・・・・」
ゼルガディス「おとついは暑い暑いといってデモナ・クリスタル」
リナ「ぐっ・・・・・」
ゼルガディス「そして昨日,盗賊いぢめでドラグ・スレイブ」
ガウリイ「確かにそんだけやられれば服もぼろぼろになるわな」
アメリア「ですね」
リナ「はいはい,あたしが悪かったですよーだ」
 
・・・・・オチなし(汗)
 













おしまい
 




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はい,まったくの駄文です。何が書きたかったというと,ゼルガディスの服を着たアメリアが書きたかったんですよね。だれか描いてくれません?もちろん多少だぼだぼの(笑)
というわけでお願いだけして描き逃げダーッシュ!