「うわきの輪」
ぜるあめばーじょん

こそこそ。

夜の闇に、夜よりも濃い闇を抱えた神官が一人。
彼の仕事は多忙を極め、一息ついたところで、彼は小腹が空いたことを感じた。
どっかに美味しい負の気は落ちてませんかねえ。
おや、こんなところに、あの方たちが。
しめしめ。




「おわぅわあああああああああ!!!!!!」

リナとアメリアは情けない男の悲鳴で跳ね起きる。
「ちょっと、うるさいわよ!寝られないじゃない!」
「今の悲鳴、ガウリイさんですか?」がちゃ。
ドアが内側から開いた。
そこでリナとアメリアが見たものは。

「リナ〜〜〜〜〜助けてくれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
ガウリイの顎に手をかけ、ゼルガディスがパジャマのままでキスを迫っていた。

「失礼しました・・・・」
「わ!待て!こら!行くな〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「リナさん、待って下さいよ!これは何かの間違いですってば!」
「黄金の髪、桜色の頬、艶やかな唇。君はなんて美しいんだ・・・・」
「うぎゃああああああ!!!リナ、リナ、リナ!!!」
「わぁかったわよ。うっさいわね。こら、ゼル、何ねぼけてんだか知らないけど、それはオトコよ、オ・ト・コ。」
「え?」
「確かにあんたの言うことには間違いはないわ。黄金の髪。桜色の頬。艶やかな唇。
でもそれ、オトコよ。」
「ちぇ。なあんだ。」
気の抜けた返事をすると、ゼルガディスはぽいっとガウリイを投げ出した。
そしてそのまま、ばったりと倒れてすやすやと眠り出した。

後に残された、複雑な表情の3人。

「ぜえぜえぜえ。た、助かったあ〜〜〜〜」
「あによ、情けない声出さないの!嫌ならばっさり斬っちゃえばいーじゃん。」
「・・・って、おい。」
「いやあね、ちょっとしたおちゃめよ♪」
夫婦漫才の脇で、アメリアはかなり心配そうだ。
「どうしたんでしょうか、ゼルガディスさん。何か悪いものでも食べたんでしょうか・・・いくらガウリイさんが綺麗だからって、男の人に迫るなんて。」
「あのなあ。」
「まあ、ガウリイの顔が寝覚めに良いか悪いかは放っといて、ゼルは昨日あたしたちと同じものを食べてたんだし。食い合わせってこともなさそうね。ゼルに限って、誰かさんみたいに見境なく拾い食いすることもないでしょ。」
「う。そのジト目は・・・・なんでオレを見るんだよお。」
「ふんだ。ま、ゼルのやつ、変な夢でも見てたんでしょ。
アメリア、あんた、ちょっと考えたげなさいね。」
「え?え?何であたしなんですかあ?」
「あんまりゼルに我慢させてると、こういう趣味にホントに走っちゃうかもよ。」
「何のことですかああああ(涙)」
「こおいう趣味って・・・・・(滝汗)」
「きゃるん♪ちょっとした冗談だってばてば。」




「う〜〜〜〜〜頭が痛い。」
3人がテーブルについていると、ゼルガディスが頭を抑えてのっそりと現れた。
「あ、あら、ゼルちゃん。気分悪いの?」
「ゼルちゃんはヤメろ、ちゃんは。何故だかお前さんの声を聞くとめまいがする。」
「ま。失礼ね。」
「ゼルガディスさん、大丈夫ですか?」
席に座ったゼルガディスの肩に、アメリアがそっと触れた。
その瞬間。

何かに操られているかのように、機械的な動きでゼルガディスがリナの方を向いた。
口を開いて、一言。
「リナ、今日は一段と綺麗だな。」

い?

「まず赤い瞳ってのがいい。赤は綺麗だ。好きな色だな。お前は色が白いからよく似合う。栗色の髪も、色目がいい。手間ひま惜しまないでちゃんとブラッシングしろよ。
たまには髪型も変えてもいいな。」
「ぜ、ゼル・・・?」
「おい・・・・」
「ゼルガディスさん・・・・?」
ゼルは席を立つ。ゆっくりとテーブルを回る。視線はリナに向けたまま。
「俺がとかしてやろうか。毎朝。結い上げてもいいな。うなじが色っぽく見えるかも。着ているものも何とかしよう。水色か、赤か、黄色だな。俺がドレスを買ってやるから。」
リナ改造計画。byゼル。
リナとガウリイの間で立ち止まり、リナの髪に触れようとつい、と手を伸ばす。

ガウリイが持っていた骨付き肉を放り出した。
「こらこらゼル、いい加減にしろよ。」
リナとゼルガディスの間に割って入る。ゼルの目がぎろりとガウリイをにらんだ。
「なんだ、貴様。やる気か。」
「いや、そーじゃなくて。お前、ホントに正気か?」
「俺はマジメだ。」
「だってよく見ろよ、相手はリナだぜえ?」
そう言うと、ガウリイはリナの背後に回った。
「ぎゃっ!?!?んなっなっ……なにすんのよっ!?」
慌てるリナ。だが、慌てるのも無理はないだろう。
ガウリイは後ろから片腕を回すと、自分の胸にリナを引き寄せたのだ。
もう片方の手で、ぽんぽん、と頭を叩く。
「よりにもよって口説く相手を間違ってるぜ、ゼルガディス。
よ〜〜〜〜〜く考えろ。こいつはリナだ。
あのリナなんだぜえ?」
ふーやれやれという顔を左右に振るガウリイ。
「人生短いんだ、そうそう棒に振ってどうする。」
「あ…………あ…………あ……………」
真っ赤になったリナの顔は一天にわかにかき曇り。
どこからかゴロゴロと雷に似た音が(笑)
「い〜〜〜〜〜加減にするのはあんたでしょ〜〜がっっ!!!」

「ほほう………いい度胸だ………。」
どこから出したか、ゼルガディスが愛剣を取り出した。
ガウリイはリナをしっかり抱えている。
「ゼルガディスさん!」
アメリアの焦った声。
するとゼルガディスはぼとりと剣を取り落とした。

「?」
「?」
「?」3人の顔に、クエッションマークが浮かぶ。

そこへ追加料理を持ってきたウェイトレスが出現。
「お待たせしましたあ♪」
くるりとゼルが向き直る。
「君。名前は。」
「は?」
「美しい君には、きっと美しい名前があるんだろうね。」
「きゃ・・・・アイリスです・・・」
「アイリス・・・・まさしく虹のような君にふさわしい。これから、お茶でも。」
「え、ええ。喜んで♪」
「ゼルガディスさんてば!」

アメリアがゼルガディスのマントを引っ張ろうとした。
すると、ゼルは氷のような視線で迷惑そうにマントをアメリアの手から引き抜いた。
驚きで、大きな目をさらに開くアメリア。

呆然と立ち尽くすアメリアを残し、ゼルガディスはウェイトレスに笑顔を向ける。
手に手を取って、二人は食堂の出口に向かってすきっぷ。


「・・・・・」
はっと我に帰ったアメリアが振り向くと、まだガウリイがリナを抱えていた。
「ちょっとお!いい加減に離してよ!」
「お?おお、悪い悪い。ところでゼルは。」
「あんた見てなかったの!?
今ウェイトレスのお姉ちゃんナンパして行っちゃったわよ!!」
「すまん。お前のムネが小さいの、しみじみ感じてたらつい・・・」
ごばきゃどごめきょ。
「…………ふ。」
アメリアがため息をつく。
「いいなあ、リナさんたちは幸せそうで。」
「これのどこが幸せなんだ・・・」
ガウリイが床にのめりこんだまま呟いた。

「ああっ!!こんなことをしている場合じゃないわ!」
急に元気になったアメリアは椅子に跳び乗る。
「これは絶対に正義じゃないわ!何かの陰謀よ、そうよ、そうに違いないわ!
絶対そうよ!あのクールで女にはとことん冷たいゼルガディスさんのすることじゃないわ!何か悪い魔法か薬でも飲まされたのよ!!
ゼルガディスさんを救わなくては!正義の使者として!!!!」
びし。ポーズ。
やんややんやと、喝采を浴びる。
ホントか、アメリア。ほんっと〜〜〜〜〜に正義のためか?

「でもゼルのやつ、どこへ行っちまったかわからないんだろ?」
頭に大きなバッテンのばんそーこを付けて、ガウリイがのたまう。
「そーねえ・・・」
リナとアメリアは辺りを見回す。
するとそのそばを、若い女の子の一団が駆け抜けていった。
「きゃああ〜〜〜〜〜〜ゼルガディス様〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「あ〜〜ん?」
「おい、今、ゼルガディスって・・・」
「とにかく後を付けましょ!」




三人は目が点になった。
何故かというと。

通りの向こうから、若い女性の一群がこちらにやってくるところだった。
それだけなら目が点にはならないのだが。
群れの中心に君臨していたのは、他ならぬゼルガディスだったからだ。

「ぜ、ゼルガディスさん!?」

思わず一歩を踏み出すアメリア。
その声に足を止める一群。

ゼルガディスを囲む女性たちは口々に勝手なことを言い出した。
「あら、また新顔?」
「ダメよ、順番守ってくれなくちゃ。あ、整理券は後ろの子が持ってるから貰ってね。でも今後一週間はゼルガディス様の予定は一杯よ。」
「今日はあたしたちとお茶するのよ。」
「わかったらそこ、どいて下さらない?」

「ゼルガディスさん・・・・?一体・・・どうしたんですか?」
問い掛けるアメリアに、ゼルガディスが顔を向けた。
「なあに、この子。馴れ馴れしい。」
一群の最前列がアメリアと対峙する。
じろじろと好奇の視線を浴びせられて、アメリアは一瞬ひるみそうになるが、両足にぐっと力を入れてその場にしっかりと立つ。
びし、と決めのポーズをお忘れなく。
「ゼルガディスさん!あなたは何かに操られているんです!
さあ、今すぐ行いを改め、わたしと一緒に魔方医のところへ行きましょう!」

「変な子。ゼルガディス様のどこがおかしいって言うの?」
「そうよ、あ、まさかあんた、ゼルガディス様の気を惹こうと突飛なことを言い出したんじゃないでしょうね。」
「普段のゼルガディスさんはこんな人じゃないはずです!」
「へえ。普段の、か。ねえ、ゼルガディス様、この子、お知り合い?」
「ゼルガディスさん!」
なおも言いすがるアメリア。

だがゼルガディスのそっけない一言が、アメリアをくじかせた。
「知らん。こんなやつは。」


「ちょっと、ゼル!!黙って聞いてればなんつーことを!!
アメリアに謝んなさいよ!!かわいそーーでしょ!!」
「なあにい、また新しいの?」
「ゼルガディス様って、やっぱりモテるのねえ。」
「ね?あんただって、ゼルガディス様が好きなんでしょ。」

俯いたアメリアを、指差す女性。

アメリアが顔をあげる。

ゼルガディスの固い視線とぶつかる。

女性たちはアメリアに向かってくすくす笑い出した。
すっと群れからゼルガディスが抜け出、かつんかつんとこちらに向かってひとり歩き出した。
アメリアは息を呑んで見守る。

しかしゼルガディスはアメリアの脇を素通りし、リナの手を取った。
「やあ、リナ、そっちのダンナを見限って、やっぱり俺にしたのか?」
「げ。な、なに考えてんのよ、あんたわ!!!!!」
「・・・・・!」
目をつぶり、アメリアはさっとマントを翻してその場から走り去った。
「あ、アメリア!!待ちなさいよ!ちょ、ちょっとゼル、離して!」
「やっぱり君が一番綺麗だ・・・・」
「ガウリイ、何とかして!!」
「ほいよ、と。」
ぽかん。
剣の柄で頭を殴られ、ゼル、転倒。
女性たちが悲鳴をあげている間に、ガウリイはゼルをかつぎあげ、リナともどもその場から脱兎のごとく、逃走。




「・・・・・」
町の外れで。
壊れた道標の石ころに座り、一人夕陽を眺めているアメリア。
「はふ・・・・・」
ため息がひとつふたつ。


そこよりちょっと離れた、空き地。
ノビているゼルを降ろし、途方に暮れる二人。
「しかし、一体何でこんなことになっちゃったのかしら。」
「…………オレに心当たりがある。」
ぶぱっ!?
難しい顔をしてガウリイがそう言ったので、リナは吹き出してしまった。
「あ、あんたが!!??く、クラゲのくせに何が心当たりがあんのよ!!??」
「お前な。いいから、見てろって。」
ガウリイ、やおら立ち上がる。そして一言。
「おいゼロス、そろそろ出てこいよ。」

「いやあ、バレちゃいましたか。」
神官、頭をかきかき登場。
「当たり前だ。二度も同じ手を使えばな。」
「ははは♪いやあ、めんぼくない。ちょっとお腹がすいて、判断が狂っちゃいました。」
「ちょっとちょっと、何のハナシ。」
「それはですねえ。」
「ゼロス。」
「ははは♪口止めされてるんでした。いえ、何でも。」
「?どーゆーこと?」
「つまり。」ゼロスに向けた一瞬の気を解き、ガウリイが向き直る。
「この騒ぎの原因はゼロスのせいなんだ。」
「そ、それってホント!?」
「いやあ♪照れちゃいます♪」
「照れんでいいわい!何でもいいから、早く元に戻してやってよ。でないとアメリアが・・・・」
「アメリアさんが、どうかしましたか。」
「いいから!でないと、アメリア直伝の『生命への賛歌』をガウリイとデュオで歌うわよ!!」
「そ、それはちょっと・・・・(汗)」
(自分は聞きたいぞ(涙)<デュオ)




「う。俺は一体どうしたんだ。」
ぱちりと目を開き、頭をぶんぶんと振るゼルガディス。
「ちょっとね。呪いにかかってたのよ。」
ゼルと目をあわせないようにして、リナがうそぶく。
「の、呪いだと!?」
「そーよ。とにかく、その呪いのせいで、あんたはとんでもない女好きになっちゃたのよ。」
「お、お、お、女好きいいい!!!!?????」
「そうだぞ。なんせ、リナにまで迫ったんだからな。」
「…………をい。まで、って何よ、まで、って。あんたにも迫ったでしょーが!
とにかくそのせいで、アメリアが傷付いちゃって大変なのよ。責任取ってきなさいね。」
「せ、責任て!」
ほれほれ、うりうり。

街道の方を向くと、向こうから目をこすりつつアメリアがとぼとぼと戻ってくるところだった。
「・・・・・」
「なにやってんのよ、お邪魔虫は消えたげるから。」
「し、しかし、俺は・・・・」
「あ〜〜〜〜もう!」
リナ、ゼルの背中を蹴り飛ばす。
あり。もう一本足が。リナより大きいぞ。
「行ってこい、ゼル。」
「ぐわああ。二人でヒドひじゃないか!!」
「あんたのしたことのほーがヒドいわよ。んじゃあね♪」
ひらひらと手を振り、リナはガウリイの腕を引っ張って、どこぞへと消える。

「ゼルガディスさん・・・・」
「あ、アメリア。」
「・・・・・」
「・・・・・」

言葉もなく、立ち尽くす二人。
夕闇がそっと近付いてくる。

「あ・・・・あの・・・・」
「すまん!どうやら、何かの呪いにかけられてたみたいだ。」
アメリアに何か言われる前に、ゼルは一気に畳みかける。
「お前にも迷惑かけたみたいだが、その、もう、大丈夫だから。」

言うだけ言って、そっと顔を上げる。
アメリアは。
大きな瞳に、何かが溜まっていた。
今にもこぼれ落ちそうで、思わず受け止めようかと思ってしまった。
「そうなんですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よかった。」
最後の一言は、囁かんばかり。
「そんなに・・・・俺は変だったか。」
詳しくはリナたちは教えてくれなかった。
アメリアにこんな顔をさせるくらい、酷いことをしたのか。
「いえ・・・そうですね、変でした。」
「ハッキリ言うな。」
「うふふ。すいません。・・・でも、変だったんですよ、ホントに。」
「そうか。ま、もう、忘れてくれ。」
「そうですね。」

ぽろ、とこぼれた。
しまった。受け止めようと思ったんじゃなかったっけ。
「何故、泣く。」
「いえ、泣いてません。」
「しかし、涙が。」
「涙くらい出ます。でも、泣いてませんてば。」
ゼルガディスは呆れる。
「涙を流すのが、泣くということじゃないのか。」
「違う場合だってあります。」
ぽろぽろ。こぼれてこぼれて止まらない。
「おい、アメリア。」
「なんです。」
「こぼれてるぞ、涙。」
「ほっといて下さい。勝手に流れてるんですから。」
「お前、怒ってるのか。」
「怒ってますよ。」
「何で。俺のせいか。」
「そうでもあるし、そうでもないです。つまり、今度のことで、わたしは自分に対して腹を立ててるんです。」
「・・・・・は?」

飲み込めないゼルガディスに、アメリアはさらにぽろぽろと涙をこぼしながら、それでも笑いかける。

「ゼルガディスさん、凄く、モテてました。たくさんの女の人に囲まれて。
どの人もみんな綺麗で、オシャレで、オトナっぽくて。
・・・・・その人たちに言われたんです。
あなたもゼルガディスさんが好きなんでしょ?って。」
「う・・・・・」
だらだらと汗をかくゼルガディス。まさか、そんなことになっていたとわ。
「そ、それで。」
「怒ってるのは、その人たちに対してじゃありませんよ。自分にです。」
「??何故。」
「その時、言えなかった自分に対してです。」

アメリアは微笑む。
頬に涙のすじをたくさんつけて。

「胸を張って、皆の前で、そうです、と言えなかった自分にです。」

風が吹いてきた。
アメリアの髪を、マントを、服の裾を揺らす。
陽光の名残りに満たされた景色に、溶け込む優しい姿。
呆然と、馬鹿のように口を開けて、アメリアに見とれるゼルガディス。
「ゼルガディスさんが好きですって、誰に向かっても言える自分に、なりたい。」
くしゃくしゃの笑顔でも、それは美しかった。
誰よりも。
何よりも。

黙ってゼルはアメリアに近付く。
アメリアは、自分のこぶしで涙を拭こうとした。
その手を、ゼルは片手で掴む。
「ゼルガディスさん・・・?」
涙は、ゼルガディスの指でぬぐわれる。
「勝手に告白して、勝手に泣くな。」
「え・・・・」
「俺のことで泣くなって言ってるんだ。俺なんかのために。」
「でも。」
「お前が泣くのは困る。」
「え?」

くい、とアメリアの頭を、自分の胸に押し付ける。
「ぜ、ゼルガ・・・」
「俺の前で泣くな。俺の胸で泣け。」
「なんだかムジュンしてませんか。」
「いいんだ。」
「迷惑じゃないですか?」
「いいんだ。」


ひとつの影となった二人を遠くで見守っていたリナは、背後でぼーーーっと座っていたガウリイを振り返った。
「んね、あとで二人に教えたげよっか。」
「へ?何を?」
「ゼルが連れて歩いてた女の子たち。どっかアメリアに似てなかった?」
「そーーーだっけか?」
「そーーーなのよ。くぷぷ♪こりは楽しい結末になりそうねえ♪」
「他人の事ばっかり考えてる場合じゃないと思うけどな。」
「??何か言った、ガウリイ。」
ガウリイ、ため息。
「なんでもありまっしぇん。」


























==========================おしまひ♪
7000ヒットのぱむさんに捧げます。遅くなってごめんなさいです(汗)
リクエストはうわきの輪ぜるあめばーじょんということだったんですが。
かなり感じが違う風になっちゃいましたね(笑)
姫がうわきの輪をつけたところは頭が拒否しちゃうんですよ(笑)
ですのでスケープゴートはゼルやんしかいないでしょう♪
〔復帰にあたり、一部書き直しました(笑))
では読んでくださった方に感謝を込めて♪
そーらでした♪

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