『あたしが受けた依頼は、怪盗ブラック・フォックスがお屋敷に盗みに入るのを止めること。・・・・しっかし・・・ちょびっとだけヤな予感がするんだけど・・・・』
 
(ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃららら〜〜〜っ♪)
連続ラジオドラマ:スレイヤーズTRYセラ(笑)第一話
第三回:『気をつけよう その一言が命取り』
 
 


「おお、あなた方がカインの連れてきた魔道士の一行ですな!」
「あたしはリナ=インバース。
んでこっちはお供のガウリイと、用心棒のゼルガディス、おまけのアメリアです。」
 
(三人が一斉に文句を言い始める)
 
「な、なにやらモメておるのかの・・・?」
「気にしないで下さい。」(きっぱり)
「ならいいが。とにかく、怪盗ブラック・フォックスは変装の名人なだけでなくて、魔道も使える者。警備の人数は増やしているが、とても役に立ちそうにない。魔道士のあなたがいて下されば、心強いというものじゃ。」

(主人のCV:ミスタータリムみたいな感じ・笑)

「御安心下さい。・・・・実は以前にブラック・フォックスの手から盗まれた像を取り返したこともあるのです。」
「おおおおっ!それはまことかっ!?こ、これでわしのコレクションも安泰じゃ・・・」
 
(ひそひそと背後で会話)
 
「おい、ガウリイ。お前さん、ブラック・フォックスのことを覚えてると言ったな。」
「ああ。」
「リナの言ったことは本当か?」
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。」
「ガウリイさん?まさか覚えてないんですか?」
 
(突然リナが会話に加わる)
 
「ガウリイがそこまで覚えてるわけないでしょ〜〜〜〜。せいぜい、ブラック・フォックスの名前を覚えてたくらいでしょうが。」
「そうですよね〜〜〜〜。ああよかった、これで世界は救われます・・・・」
「いや?他にも覚えてることはあるぞ。」
「うええ?」
 
(ワーゲン氏も会話に加わる)
 
「ほほう。それはどんなことですかな。ブラック・フォックスについてのことなら、わしも聞いておきたいものですな。」
「・・・・・・・・実は。
・・・・・・・・・・・・あいつは、変態の名人なんだ。」

「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
 
ひゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ
(風の吹き抜ける寂しい音)
がろんがろんがろんっ!!
(ブリキのバケツが転がっていく音)
 
「あ。間違えた。変装の名人だった。」
 
ずるどべがしゃっ!!
(床の上で滑る音。どうやら主人の部屋は相当にワックスがきいているらしい)
 
「あ、あ、あ、あんたね〜〜〜〜〜〜っ。」
「オレに変装してリナに抱きついて、あいつ、呪文でぼろぼろに吹っ飛ばされたんだぜ〜〜〜〜〜。」
「お・・・・・おそろしい・・・・。」
「変装の名人てとこじゃなく、リナに抱きついたってあたりが、命知らずなヤツだな・・・・。」
「・・・・・・・・なんか言った?ゼル」
「・・・でも何で、リナさんに抱きついたりしたんです?それもわざわざガウリイさんに変装し・・・・」
「ワーゲンさん。早速、屋敷を見回りたいのですが。」
「・・・・・・リナさん?」
「お?おお、おお、で、では、カインに案内させよう。部屋も用意してあるので、予告の日まで泊まりこんでくれるのだな?」
「勿論です。」
「・・・・・・・何を急いで話題を変えたりするんだ?」
「はいはいはいはいはいっ!ゼルもアメリアもきっちり仕事するっ!ムダ話はおしまいよっ!カインさん、案内お願いねっ!」
(少し離れたところからカインの声)
「かしこまりました。」
「・・・・リナのやつ・・・・・何を慌ててるんだ・・・?」
「怪しいですよね、ゼルガディスさん。」
 
ぎい〜〜〜〜〜
(重そうなドアの開く音)
こつこつこつこつ。
(続いて廊下を数人が歩く音)
 
「ところでカインさん・・・」
「はい、なんでしょうリナさん。」
「ブラック・フォックスはこのお屋敷の何を狙っているんです?」
「それは・・・・。」
「これだけ豪華なお屋敷ですから、さぞ豪華な宝物があるんでしょうね♪」
「まるで成り金趣味の見本市のようだったからな・・・。」
「失礼よ、ゼル。とてもいい趣味だと思いますわ♪ほほほ♪」
 
(BGM:なにやら怪しい曲)
 
「実は・・・・旦那様には、誰にも秘密にしているコレクションがあるのです。」
「コレクション・・・。確かさっきもそう言ってたような・・・」
「そうです。どれだけのお金を費やしているかは知っていますが、なにしろ門外不出、執事の私ですら見たことのない代物なんです。これからご案内する宝物蔵にそれはあるのですが、厳重な警備と、大きな錠前によって守られていて、誰も中を見るのは許されていないんです。」
「門外不出・・・・・・宝物蔵・・・・・。」
「リナさん、リナさん。・・・・よだれ・・・・・」
「おっといけない。じゃあ・・・あたし達も見るわけには行かないんですね?」
「そうです。誰にも見せるなとのお達しですので。」
「しかし・・・・。見てもいないものを守れったって・・・・。」
「ぐ〜〜〜〜〜。」
「こらぁ、ガウリイっ!!立ったまま寝るなっ!!」
「ぐ〜〜〜〜〜。
・・・・リナ・・・・・。」
 
(BGM:ハートが飛びかいそうな曲・どんな曲や・・・)
 
「ぜっ、ぜっ、ぜっ、ゼルガディスさんっ!
〜〜〜〜〜ガウリイさんが寝言でリナさんの名前をっ!」
「・・・・なぜ俺に振る・・・・」
「ちょ、ちょっとガウリイっ!寝惚けてんじゃないわよっ!」
「う〜〜〜〜〜〜ん・・・・
リナ・・・オレが必ず・・・お前を守る・・・・・」

「う、う、う、
えええええええええっ!?」

 
 




『依頼人の屋敷に到着したあたし達は、ブラック・フォックスがどうやら主人の謎のコレクションを狙っているらしいと教えられた。
・・・・・・しかし・・・・・・。
人がようやくシリアスに展開しようとしてる時に、突然何言うかな、このクラゲ男はぁっっ!!!』

『う〜〜〜〜ん、リナ〜〜〜〜〜』

『て、てなところで、多少の動揺はあるものの、まだまだドラマは続くのだった。次回も聞いてくんないと・・・・暴れちゃうぞ・・・・・・』

(尻すぼみな声)





 

次回へ続く。