「すぅぃ〜と・しょ〜と・しょ〜と」
「リナ編」


あたしはお腹が減っていた。
「あ〜〜〜〜も〜〜〜〜ダメ〜〜〜〜〜。空腹で死む〜〜〜〜。」
なんか食べたい…。
それも、できれば甘いヤツう。
「よ、リナ。」
のん気な挨拶。ガウリイが帰ってきた。
「ガウリイ〜〜〜。何か仕事見つかった?」
「いや。なかった。」
「あっそ…。」

くんくん。
…なにこれ?
そこはかとな〜〜〜〜〜く、いいにおひ…
くんくん。
「なんか…いいにおいがするぅ〜〜〜〜〜。」
「え?そうか?」
あで。人一倍鼻のきくガウリイがわかんないの?
このあっま〜〜〜〜〜いにおいが。
くんくん。
「ん〜〜〜〜あたしの鼻によれば、こっちの方…」
くんくん。
「いいにおい〜〜〜〜〜。」
くん!
「あ〜〜〜このへんら〜〜〜〜。」
がたっ!
「お、おい、リナ。」
「へ?」

はっと気づくと、それはガウリイの胸だった。
見上げると、ガウリイが真っ赤な顔でこっちを見てた。
何で赤い顔してんのよっ!?
ぼっっっ。
あたしまで真っ赤になるぢゃないかあ。

あで。
あたし、ガウリイを…
押し倒してる?!
んなバカな〜〜〜〜〜っっ!

「お、お前なあ……。」
ガウリイはまだ真っ赤だ。
胸に当てた手に気がつき、あたしは慌てて離した。
「や、こ、これはそのっ!あ、あたしは別にいっ!そ、そ〜よ、空腹が悪いのよっ!あ、
あたしのせいぢゃないのよおっ!」
信じてお願ひ〜〜〜〜〜(涙)
だって確かに、ここからあま〜〜〜〜いいいにおいがしたんだも〜〜〜〜ん。
だから鼻に従って突き進んだだけなのよ〜〜〜。
辿り着いたらあんたの胸だっただけなのよ〜〜〜〜。
あ。

「ガウリイ。あんた…何か美味しいもの食べたでしょ!」
「な、なんだよ、いきなり…」
「だって。あんたのここんとこから甘いにおいがするのよ!あたしに黙って一人でいいも
ん食べたでしょ!!」
「た…食べてないって。だってオレ、金持ってないもん。」
「あ。そっか。持たせてなかった。」
う〜〜〜む?
「あの…さ、リナ。」
「なによ?」
「降りるか続けるか、どっちかにしてくんない?」
「は?」

あたし…まだガウリイの上に乗っかったままであった…。
ちょっと待て。
続けるって、続けるって、どおいうことよっ!?
「お、降りるわよっ、つ、続けるってどゆことっ!?」
「そりゃあ。」
ガウリイが再び赤くなる。
「そおいうこと、なんじゃないのか。」
そおいうことってそおいうことってそおいうことってええええええっっつ!!
なんのことよっ?
「あ、あたしは別にねっ!あ、あんたの胸のとこから甘いにおいしたから、その、ただ嗅
いでたら辿りついただけでえっ…」
「なんだ。リナもとうとう盛りがついたかと思った。」

あ…あ…あ…あのねえええええっ!!
さらっと凄いこと言わないでよおおっ!

「何よそれ!!あ、あたしは犬猫ぢゃないのよっ!」
「そおかあ?こおしてるとネコみたいだけど、な。」
撫で撫で。
な・ん・で、そこで頭撫でるかな〜〜〜〜〜。

「あ。忘れてた。」

急に何かを思い出したのか、ガウリイは横になったままぽんと手をついた。(芸の細かいヤツ…)
「そおいや、ケーキ屋さんでカップケーキ貰ったんだった。」
「ええええっ!?は、早く言ってよねっ!!…でもなんで、ケーキなんか貰ったの?」
「あ〜。うまそ〜だな〜って見てたらくれた。」
「あ…頭いた…」
「あ。」
「今度は何よ。」
「つぶれてる。」
ガウリイはおもむろに自分の懐に手を入れ、小さな包み紙を取り出した。

「ほら。」
「いや〜〜〜〜〜っ!何でそんなとこ入れておいたのよ〜〜っ!」
「手に持ってたら犬に食われそうだったから。野良犬が多くてさあ。」
「ま…まさかそれってあたしのせい…?」
「つぶれたのが?う〜〜〜ん。そうかも。」
「ふええええ…」
「泣くなって。まだ食えるぞ。」
「そんなぐちょぐちょの、誰が食べるかあっ。」
「結構うまいけど。」
あぐあぐと食べてる…。
ごっくん。
「ぶ…無事そうなとこあったら食べるう〜〜〜。」
「あ。すまん。全部食っちゃった。」
クリームのついた指をぺろっと舐めてガウリイはにぱっと笑った。
「ずる〜〜〜〜〜〜〜ぃいいいっ!!あたしだって食べたかったのにい。」
くっすん。
するとガウリイは、あたしを引き寄せて言った。
「味見だけでも、してみるか?」



お腹が空いたら、甘いもの食べたいな。




















おしまひ…殴って(笑)にしようかとおもったんですが、あんまりなのでガウリイ編を書きました。全然違う話になっちゃいました(笑)よろしかったらどうぞ♪

ガウリイ編も読んでやる。